嚥下内視鏡使用による咽喉頭所見

The Japanese Journal of Rehabilitation Medicineに「嚥下内視鏡から見た摂食・嚥下の運動学」(藤島一郎, 47(10) : 699-703, 2010)が掲載されている。
 要旨は「摂食・嚥下は食物の認知から口への取り込み,咀噛・食塊形成,咽頭への送り込み(口腔期),咽頭通過(咽頭期),食道通過(食道期)という一連の流れに沿って行われる.嚥下内視鏡(以下VE)はそのうちの咽頭期評価に絶大な威力を発揮する.咽頭期は外から見えず,VEは臨床場面で手軽に検査ができ,誤嚥や咽頭残留といった重要な所見を評価できる.」と述べている。
 内容でVEでしか分からない内容として、「内視鏡で上から見た喉頭蓋の形状には大きく分けて平型とΩ型がある.」ということである。更に、「筆者の臨床経験では,NGチューブを入れるときに
平型では感覚が鋭敏な喉頭蓋喉頭面にチューブが当たりやすく違和感が強く、Ω型喉頭蓋ではチューブが喉頭蓋喉頭面に当たりにくい」と述べている。
 実際、VEを観察する時は、骨棘による咽頭狭窄に眼がいきがちであったが、喉頭蓋の形態も留意してみる必要を学ぶことができた。

コメント

  1. オメガ型という言い方があるんですね。U字変形と言ってました。ちなみに高齢者の喉頭蓋が舌根部に接触しているカール変形について何か文献ありますか?

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  2. カール変形初めて聞きました。もし、文献をみる機会がありましたら報告します。
    教えていただきありがとうございました。

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