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舌圧検査応用のポイント

日本補綴歯科学会誌 に「 舌圧 検査応用のポイント 」( 森田晃司, 津賀一弘 9(3): 181-185, 2017.) が 掲載されている。 要旨は「二次介護予防事業の一つとして口腔機能向上サービスがあり, 高齢者でも簡単にできる口腔周囲筋を使うレクリエーションなどが行われている. しかしながら, そのサービスの利用は低迷している. 日本老年歯科医学会が提案する口腔機能低下の診断基準の中で, 舌圧の低下は, 摂食・嚥下機能の低下および食事形態の劣化と関連すること, また舌接触補助床の装着や口腔機能向上プログラムの実施により改善されることが紹介されている. 本稿では 舌圧検査のこれまでのエビデンスを検討し, 応用上のポイントを示すとともに, 健康寿命の延伸に貢献できる可能性がある 口腔機能向上プログラムへの応用と普及について提案する. 」と述べている。 本文中に、「舌圧訓練などによる検査・診断とエビデンスに基づいた口腔機能のリハビリテーションが、今まで困難とされてきた重度の摂食嚥下障害の予防にも有効である可能性を示す証拠である。」 私の最近の関心ごとは舌圧測定である。理由として①数値化しやすいこと、②歯科医師が関わる分野として舌(主に前舌2/3)があり、関連性が高いことがある。 今後、舌圧測定器(バルーンタイプ)や舌圧測定シート(小野ら)と高齢者との関連や疾患別について文献検索を進めていきたいと思う。

摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性

Japanese Journal of Rehabilitation Medicine に「 摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性 」(小野高裕, 堀一浩, 藤原茂弘, 皆木祥伴, 村上和裕 54(9):  666 -671 2017)が掲載されている。 要旨は「 極薄型の舌圧センサシートを口腔内に貼付することにより, 自然な嚥下時の舌圧を多点で測定することができる. 舌圧の持続時間, 最大値, 順序性, 左右バランスなどのパラメータの変化は, 脳卒中, 神経筋疾患, 口腔中咽頭がんなど各疾患特有の舌のmotor controlの異常と関連 しており, 不顕性の嚥下機能低下を捉えるうえで有用である. また, 嚥下時舌圧データは, 嚥下手技の舌に対する効果検証や, 患者個々の舌機能に応じた食品性状の設定に応用することによって, 摂食嚥下リハビリテーションにおけるさまざまなアプローチの合理化や効率化に貢献する可能性をもつと考えられる. 」と述べられている。 舌圧センサーシートはバルーン式に比し、測定部位が5つになるため、部位ごとに舌圧の推移が分かり大変有用である。 私が関心を持ったのは自分が所属している領域の 口腔中咽頭がん ・舌圧の部分的・全体的な欠失 ・波形の乱れ(多峰性,非同期性) ・時系列上の接触パターンを喪失 ・ピーク値の低下 ・持続時間の延長 骨格性下顎前突  ・ピーク値の低下 ・持続時間の延長 であり、機会があれば、舌圧センサーシートを使用し自分で測定していきたい。