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高齢者誤嚥性肺炎予防の新戦略

JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATIONに「 高齢者 誤嚥性肺炎 予防の新戦略 」(大類孝 22(1): 78-81, 2013.)が掲載されている。 要旨は「抗菌薬の開発が目覚ましい現在でも肺炎による入院および死亡者数は増加傾向にあり, これまでわが国の疾患別死亡の第4位を占めてきたが, 厚生労働省の2011年度の報告によれば, ついに脳血管障害を抜いて第3位になり, まさに現代病の様相を呈している. また, 2010年度の人口動態統計によれば, 肺炎による死亡者のなかで65歳以上の高齢者が占める割合は96.6%と極めて高い. 本稿では, 初めに 高齢者肺炎の大部分を占める誤嚥性肺炎の発症の現状について明らかにし , 次にその発症機序を解説し, 最後にその予防策についてこれまでの筆者らのエビデンスを紹介しながら解説したい. 「誤嚥性肺炎の概念」 近年, 外来で対処できる肺炎の患者数は横ばい状態にあるが, 入院を要する肺炎の患者数は年々増加傾向にある. 諸家の報告により異なるが, 高齢者の肺炎のおよそ70%以上が誤嚥性肺炎 であるといわれている.」 文中に「65歳以上の健常人の約2割に大脳基底核近傍のロイコアライオーシス等の脳虚血所見が認められる」と述べられている。 大脳基底核障害が嚥下機能を低下させ、誤嚥性肺炎誘発につながることはこれまでも多く述べられている。では脳血管障害発症以前に大脳基底核の機能低下、もしくは大脳基底核を活性化させる方法はないのであろうか。これから検討していきたいと考える。