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言語聴覚士試験に参考になると考えられる、耳鼻科専門医試験摂食嚥下関連問題

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 耳鼻咽喉科専門医試験で上記の問題があった。 図をみると喉頭蓋谷に食塊が残留している。 考えられる内容として、喉頭の惹起が弱いことが考えられ、喉頭蓋の反転困難を呈している。そのため食塊を咽頭に送り込めない可能性がある。 では、どうするかと考えると食事形態の工夫、水分との交互嚥下が考えられる。訓練法は頷き嚥下やシャキア法が考えられる。摂食・嚥下に携わる言語聴覚士の国家試験としても考えさせられる内容と思われた。

accept paper

久しぶりの投稿になります。 「 Nutrición Hospitalaria」(IF 0.88)に投稿していた「 Assessment of the risk of malnutrition due to aspiration pneumonia and oral feeding difficulty 」という論文がアクセプトされました。 It's been a long time since I've posted. I had submitted a paper to Nutrición Hospitalaria (IF 0.88) called "Assessment of the risk of malnutrition due to aspiration pneumonia and oral feeding difficulty. Accepted.

舌圧検査応用のポイント

日本補綴歯科学会誌 に「 舌圧 検査応用のポイント 」( 森田晃司, 津賀一弘 9(3): 181-185, 2017.) が 掲載されている。 要旨は「二次介護予防事業の一つとして口腔機能向上サービスがあり, 高齢者でも簡単にできる口腔周囲筋を使うレクリエーションなどが行われている. しかしながら, そのサービスの利用は低迷している. 日本老年歯科医学会が提案する口腔機能低下の診断基準の中で, 舌圧の低下は, 摂食・嚥下機能の低下および食事形態の劣化と関連すること, また舌接触補助床の装着や口腔機能向上プログラムの実施により改善されることが紹介されている. 本稿では 舌圧検査のこれまでのエビデンスを検討し, 応用上のポイントを示すとともに, 健康寿命の延伸に貢献できる可能性がある 口腔機能向上プログラムへの応用と普及について提案する. 」と述べている。 本文中に、「舌圧訓練などによる検査・診断とエビデンスに基づいた口腔機能のリハビリテーションが、今まで困難とされてきた重度の摂食嚥下障害の予防にも有効である可能性を示す証拠である。」 私の最近の関心ごとは舌圧測定である。理由として①数値化しやすいこと、②歯科医師が関わる分野として舌(主に前舌2/3)があり、関連性が高いことがある。 今後、舌圧測定器(バルーンタイプ)や舌圧測定シート(小野ら)と高齢者との関連や疾患別について文献検索を進めていきたいと思う。

摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性

Japanese Journal of Rehabilitation Medicine に「 摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性 」(小野高裕, 堀一浩, 藤原茂弘, 皆木祥伴, 村上和裕 54(9):  666 -671 2017)が掲載されている。 要旨は「 極薄型の舌圧センサシートを口腔内に貼付することにより, 自然な嚥下時の舌圧を多点で測定することができる. 舌圧の持続時間, 最大値, 順序性, 左右バランスなどのパラメータの変化は, 脳卒中, 神経筋疾患, 口腔中咽頭がんなど各疾患特有の舌のmotor controlの異常と関連 しており, 不顕性の嚥下機能低下を捉えるうえで有用である. また, 嚥下時舌圧データは, 嚥下手技の舌に対する効果検証や, 患者個々の舌機能に応じた食品性状の設定に応用することによって, 摂食嚥下リハビリテーションにおけるさまざまなアプローチの合理化や効率化に貢献する可能性をもつと考えられる. 」と述べられている。 舌圧センサーシートはバルーン式に比し、測定部位が5つになるため、部位ごとに舌圧の推移が分かり大変有用である。 私が関心を持ったのは自分が所属している領域の 口腔中咽頭がん ・舌圧の部分的・全体的な欠失 ・波形の乱れ(多峰性,非同期性) ・時系列上の接触パターンを喪失 ・ピーク値の低下 ・持続時間の延長 骨格性下顎前突  ・ピーク値の低下 ・持続時間の延長 であり、機会があれば、舌圧センサーシートを使用し自分で測定していきたい。

パスに役立つ嚥下障害・誤嚥性肺炎・口腔ケアの基礎知識

日本クリニカルパス学会誌 に「 パスに役立つ嚥下障害・誤嚥性肺炎・口腔ケアの基礎知識 」(高畠英昭 18(3): 249-253, 2016.) 要旨は「嚥下障害は高齢化が進む我が国において大きな問題である. 嚥下障害が重度になれば胃瘻による栄養管理が行われるが, 胃瘻の原疾患の過半数は脳卒中であり, 約1/3は認知症である. 脳卒中・認知症共に高齢者に高頻度に起こる疾患であり, 人生の最終章に最期まで口から美味しく食べられるケアのニーズは高い. 誤嚥性肺炎は嚥下障害の代表的な合併症である. 重度の嚥下障害のために胃瘻造設された人たちの半数は約2年で死亡し, 死因の約60%が肺炎であるという事実が示すように胃瘻では誤嚥性肺炎を予防することはできない. 一方, 積極的な経口摂取訓練により肺炎発症が減少することは臨床試験でも確認されている. また, 口腔ケアによる肺炎予防効果が注目を集めているが, 口腔ケアの目的は必ずしも肺炎予防だけではない. 最期まで口から美味しく食べられるケアのためのパス作成に役立つ , 嚥下障害・誤嚥性肺炎・口腔ケアの基礎知識について述べる.」と述べている。 本文で紹介されている「マクロアスピレーション」、「マイクロアスピレーション」については、 「食事時の誤嚥」、「食事以外(主に就寝時)の誤嚥」の意味で使用されている。 本文では、マクロアスピレーションによる、誤嚥性肺炎の発生率は1.0%程度とされている。 このことから、マクロアスピレーションより、マイクロアスピレーション対策が重要であり、口腔ケアは就寝前に徹底して行うことが肝要といえる。 もし可能であれば、夕食後の時間から言語聴覚士や歯科衛生士が介入し対象者に口腔ケアを行うことで、日中に口腔ケアを行うよりも誤嚥性肺炎をより抑制できる可能性があると思われた。

パパイン含有ゲル併用舌清掃による舌苔除去効果

口腔衛生学会雑誌 に「 パパイン含有ゲル併用舌清掃による舌苔除去効果 」(濃野要, 山賀孝之, 金子昇, 宮崎秀夫 66: 9-14, 2016.)が掲載されている。 要旨「舌苔には多くの細菌が存在するため, 口臭や誤嚥性肺炎の原因となる. 舌苔は主にタンパク質から構成される ことから, 本試験は, システインプロテアーゼであるパパインを含有したゲルが機械的舌苔除去に及ぼす影響について検討することを目的とした. 対象は23~53歳の男性13名, 女性7名である. 被験者を無作為に2群に割り付け, 両群とも被験試料およびプラセボを用いた実験に参加する交差研究とした. 試験日に, 2.5gのゲルを舌清掃直前に対象者の舌背に塗布し, 1分間保持させた. その後, 同一験者が舌ブラシにて100~150gの荷重範囲で舌清掃を行った. 舌清掃後, 水道水20mlにて10秒間含嗽させた. 舌苔面積および舌苔厚さ評価のために舌清掃前後においてデジタルカメラによる舌写真撮影を行った. なお, 洗い流し期間は14日間とした. 舌写真の評価は3名の熟練した被験者の情報をもたない歯科医師がソフトウェア上にて視覚的に評価した. 2群間の比較にはWilcoxonの符号順位検定を用いた. 舌苔面積はパパイン含有ゲルを用いたテスト群において, 舌清掃後に有意(p<0.05)に減少した. また, 舌清掃前後における舌苔残留率は, プラセボ群に比べてテスト群が有意(p<0.05)に低かった. 」と述べている。  本文中で、「舌苔の主な構成成分はタンパク質である」と述べられており、「プロテアーゼが舌苔の除去に有効であると考えている」とのことである。  口腔ケアの流れとして、舌苔の除去はパパインゲル使用後に物理的に舌苔を除去し、口腔全体は、専用ジェル使用後、口腔清掃、保湿剤の使用の流れで行けば効率のよい、口腔ケアが行えると考えられた。

Rehabilitation of swallowing and cough functions following stroke: an expiratory muscle strength training trial

Archives of Physical Medicine and Rehabilitationに「 Rehabilitation of swallowing and cough functions following stroke: an expiratory muscle strength training trial 」 (Karen Wheeler Hegland, Paul W. Davenport, Alexandra E. Brandimore, Floris F. Singletary, Michelle S. Troche)が掲載されている。 Abstract Objective To determine the effect of expiratory muscle strength training on both cough and swallow function in stroke patients. Design Prospective pre-post intervention trial with one participant group. Setting Two outpatient rehabilitation clinics Participants Fourteen adults with a history of ischemic stroke in the preceding 3 – 24 months participated in this study. Intervention Expiratory muscle strength training (EMST) . The training program was completed at home and consisted of 25 repetitions per day, 5 days per week, for 5 weeks. Main outcome measures Baseline and post-training measures were: maximum expiratory pressure, voluntary cough airflows, reflex cough challenge to...

国家試験対策 摂食嚥下障害分野

歯科医師国家試験受験もあと1か月であるが、気分転換に今回、ブログを通して摂食嚥下障害分野を復習しようと考えた。  第109回歯科医師国家試験の摂食機能療法学分野の試験委員は「菊谷 武」先生である。  菊谷先生の研究内容の紹介として「高齢者、若年者における口腔内刺激時の自律神経反応ー心拍変動解析による検討ー、口腔ケア、高齢者の摂食嚥下障害」とある。  菊谷先生といえば、摂食嚥下リハに携わる人には 「口腔リハビリテーション多摩クリニック」 http://dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/tama-clinic/ が有名だと思う。  HP内で摂食嚥下リハビリテーションの紹介として  1評価   1)外部観察評価  2)スクリーニング検査  3)精密検査  とある。  ここでスクリーニング検査で 咳テスト が紹介されているが、咳テストは以前当ブログでも紹介した  ( http://firstsato.blogspot.jp/2011/04/blog-post_16.html )がこれは直接嚥下機能をみるというよりは、不顕性誤嚥のスクリーニングを行っている点に注意する。  2リハビリテーション  1)環境調整  2)栄養指導  3)顎補綴・プロテーゼ・発音補正装置・嚥下補助装置  とある。   ここで栄養のスクリーニングとして第107回で SGA 、第108回で MNA が出題された。  これを考慮すると低栄養への対処として以下の栄養法の特徴を知っておく必要があると思われ   た。  1)PEG  2)経鼻栄養    さらにずっと留置しておくのか、間歇的口腔食道経管栄養法による違い。  3)TPN  4)PPN    

感染症対策としての口腔ケアを考える

難病と在宅ケア に「 感染症対策としての口腔ケアを考える 」 (渡邊裕 20(6): 53-56, 2014.)が掲載されている。 要旨は「2012年の日本の総死亡者数は約120万人で, うち65歳以上の高齢者の死亡者数は約100万人, 総死亡者数に占める65歳以上の高齢者の割合は8割以上となっている. 一方, 肺炎のよる死亡者数は全死亡者の1割の約12万人で, うち96.8%が65歳以上の高齢者となっている. 日本の高齢者の肺炎の80%以上が誤嚥性肺炎との報告から推計すると, 65歳以上の高齢者の約1割は誤嚥性肺炎で死亡しているということになる. 誤嚥 とは, 病原性微生物を含む唾液などの口腔・咽頭内容物, 食物, まれに胃内容物を気道内に吸引することで生じる肺炎を誤嚥性肺炎という. 誤嚥性肺炎の多くは, 不顕性誤嚥(無意識のうちに細菌を含む口腔・咽頭分泌物を微量に誤嚥する現象)による 細菌性肺炎 である. 不顕性誤嚥の危険因子としては大脳基底核の脳血管障害, 神経筋疾患および認知症などの脳疾患, 寝たきり状態, 口腔内不衛生, 胃食道逆流, 抗精神病薬の多剤使用などが挙げられる. 」と述べている。 文中に「歯や補綴物の観察では、動揺が無くても、歯の頸部(歯肉に近い部分)に大きなう蝕がある場合、ケア中にう蝕の部分で破折し、歯冠部(歯の頭の部分)が脱落、誤嚥する可能性がある。さらに大きな歯冠補綴物(クラウンやブリッジなど)の場合、歯が金属に覆われおり、中の状況が判別できず、動揺など前触れもなく脱落することもあり、これら大きな歯冠補綴物には十分な注意が必要であり、可能な限り歯科専門職の診査を受けるべきである。」と述べている。 これまで、言語聴覚士として勤務していた時は、歯の動揺については、「揺れているな」としか感じていなかったが、歯学部に通い歯の動揺度があることを知り、また歯周検査も行うようになった。 ベッドサイドでの歯科職種による口腔内スクリーニングは口腔ケアを実施していくうえで必要になるであろうし、誤嚥予防アプローチの幅が広がる可能性につながると思われた。

経管栄養患者の発熱および肺炎の予防法

医療 に「 経管栄養患者の発熱および肺炎の予防法 - 歯磨きおよびリハビリテーションの追加の効果 -」(及川隆司, 松坂薫, 大井敦子, 田畑恵太, 清水綾子, 沼田恵, 近江谷留里子, 久保裕司, 山谷睦雄)68(6): 281-290, 2014.が掲載されている。 要旨は「高齢者では脳血管疾患などにともなう嚥下機能の低下により誤嚥性肺炎を生じやすい. また, 経管栄養を受けている患者では日常生活動作(activities of daily living : ADL)の低下にともない口腔内の衛生環境が悪化する. このため, 細菌を多く含む唾液を誤嚥する場合に肺炎を生じる. 誤嚥性肺炎の予防には嚥下改善をもたらす薬剤の内服や, 看護・介護による口腔内衛生環境改善などの方法が開発されている. しかし, 経管栄養を受けている患者 に生じる誤嚥性肺炎の予防法は確立していない. 筆者らは, 寝たきり状態で, 嚥下機能および認知機能の低下を認め, 経管栄養を受けている患者に対し, 看護師による 1日1回5分間の歯磨きと , 筋力維持および関節拘縮防止のための リハビリテーション を新規ケアとして加え, 唾液や喀痰の吸引, 食後の座位保持, 体位変換, 尿道カテーテル交換などのケアとともに実施し, 発熱回数 および 肺炎回数の減少を認めた . リハビリテーションは関節の拘縮を防ぎ, 看護師によるケアを受けやすくさせる効果を認めた. これらの患者ケアの方法には口腔内分泌物に混入している細菌の誤嚥によってもたらされる肺炎を防ぐ効果があると示唆される. これまでの知見をもとに, 高齢者肺炎および経管栄養を受けている患者の肺炎発症の機序と予防法を紹介する. 」と述べている。 この文献で興味深い箇所は、口腔ケア群とコントロール群を設けているところである。 コントロール群の設定について、文献では「歯ブラシによる口腔ケアとリハビリテーションを実施していなかった時期に入院していた患者」とある。 これまで、口腔ケアの効果については、Yoneyamaらの論文が有名であるが、今回の論文はさらに口腔ケアの効果を比較した論文として要考察していく必要があると思われた。

嚥下障害のリハビリテーション - 病態別対応の重要性について -

音声言語医学に「 嚥下障害 のリハビリテーション - 病態別対応の重要性について -」 (木村幸, 巨島文子 音声言語医学 55(4): 277-283, 2014.)が掲載されている。 要旨は「 嚥下障害の原因疾患は脳卒中, パーキンソン病や頭頸部腫瘍術後など, 多岐にわたる. 嚥下障害の病態を正確に評価し, 原因疾患に適した治療を選択して, リハビリテーションなどの治療をチームで施行する必要がある. また, 症例によっては治療を一施設のみで完結することはできないため, 摂食・嚥下障害者を取り巻く関連施設や関連職種などとの 地域連携が必要 である. 本論文では, 当院での摂食・嚥下リハビリテーションの病態別対応と地域連携の実践を脳卒中, パーキンソン病の慢性期重度嚥下障害3例を提示して紹介する.」と述べている。 1症例目は右被殻出血、2症例目は右橋・延髄・小脳の脳梗塞、3症例目はパーキンソン病であり、いずれの症例も重度嚥下障害を呈しているため、チームアプローチによる嚥下障害改善を目指している。 嚥下障害の治療において、本文では「嚥下障害の訓練はエビデンスが乏しいため,病態に即した訓練や治療を本人・家族の同意を得たうえで実施する必要がある.」と述べている。 病態に即した訓練を行うためには、医師と嚥下訓練実施者の共通の理解、意思の疎通が重要になる。そのためには、嚥下訓練内容も重要であるが、意思の疎通を図るためのコミュニケーション能力も大事であると思われる。

肺炎にさせないために

デンタルハイジーンに「 肺炎にさせない"ために~嚥下訓練・食事支援・口腔ケア~ 」(野原幹司33(9): 978-982, 2013.)が掲載されている。  要旨は「医療界では, 在宅医療の充実が叫ばれています. 病院に入院すべき急性疾患を有する患者さんは減少し, 慢性疾患や障害を抱えながら在宅や施設で生活している患者さんが増えているためです. 患者さんの生活を支える在宅医療のさらなる充実が必要とされています. ここに在宅主治医(医科)を対象にした「連携したい診療科」のアンケート結果があります. なんと, 在宅医がもっとも連携したいのは「歯科」という結果でした . さらにもう1つ, 「歯科に口腔ケアを依頼したときに期待する効果」についてアンケートがあります. その結果の1位は「摂食・嚥下機能の維持・改善」であり, 2位は「呼吸器感染(肺炎)の予防」でした. これらの結果は, 「在宅でもっとも必要とされているのは歯科であり, そのときに期待されるのは, 摂食・嚥下リハビリテーション(以下, 嚥下リハ)と口腔ケアである」ということです. 」と述べている。 本文でこれからの歯科について、「歯を残す」から「機能障害への対応」へパラダイムシフトをしていると述べている。 また、本文では栄養と呼吸リハについて、触れており私も栄養、呼吸リハ、口腔ケアを適切に組み合わせることで嚥下性肺炎を予防できると考えている。 そのため、歯科衛生士雑誌に呼吸リハについて述べられていたことは大変興味深かった。歯科関係者が誤嚥性肺炎予防のために口腔以外も観察できるとアプローチの幅が広がると思われた。

段階的嚥下食と誤嚥防止のための口腔ケア

難病と在宅ケア に「 段階的嚥下食と誤嚥防止のための口腔ケア 」(中山渕利, 戸原玄, 阿部仁子20(1): 63-66, 2014.)が掲載されている。 要旨は「近年, 摂食・嚥下障害を抱えた要介護者が増えるなかで, 安全でおいしい食事を提供するために在宅や介護施設にて食事形態や食事方法について様々な工夫がなされている. しかしながら, すべての 摂食・嚥下障害者が適切な食事をしているわけではない . 実際, 摂食・嚥下機能に不釣り合いな食事は誤嚥性肺炎や窒息を引き起こすこともある. また食事方法を工夫すれば口から食べられるが胃瘻のみで栄養摂取を続けている場合もある. 摂食・嚥下障害者が安全に経口摂取を継続するためには, 食形態, 姿勢, 食べ方もしくは食べさせ方を適正にすることが大切 である. つまり, 人によっては食形態がいくら適正でも姿勢が悪いと誤嚥することや, 食形態が不適切でも姿勢や食べさせ方が適切であれば誤嚥しない場合もある. 今回はこのうち"食形態"に着目して解説していることに注意していただければ幸いである. 」と述べている。 主に日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類と口腔ケアについて記載されているが、嚥下調整食分類について、具体的な食品が記載されており分かりやすい内容となっている。 例えば、「あい一とR」について、「食材の形態はそのままに、酵素均浸法を使って、食材の内部繊維を分解しており、舌で簡単につぶせて、コード3に相当する程度まで粒のない状態になるため、コード3の中でも比較的安全でおいしい商品である。」と述べている。 摂食嚥下リハビリテーション分野も可能な範囲から基準化が図られてきている。調整食、栄養管理について様々な発表がなされているが、肝心の摂食嚥下リハビリテーションの内容や基準化については、研究発表もまだ少ないのが現状だと思う。 今後も摂食嚥下リハビリテーションのエビデンスレベルを一つでも上げられる研究を考察していきたい。

要介護高齢者に対する機能的口腔ケアと血漿中活性型グレリン値の関連性

 九州歯科学会雑誌に「 要介護高齢者に対する機能的 口腔ケア と血漿中活性型グレリン値の関連性 」 (木村貴之, 遠藤眞美, 永富絵美, 久保哲郎, 林田裕, 柿木保明  66(2): 29-38, 2012. )が掲載されている。                                                                               要旨は「わが国では要介護高齢者が増加しており, 非経口摂取者も増加していると考えられる. 近年, 要介護高齢者に対して日常生活の維持・向上にもつながる機能的口腔ケアを行うことが重要とされ, 歯科医療従事者が非経口摂取者を含む要介護高齢者に関わる機会が増加してきた. グレリン は, 主に胃から産生されるペプチドホルモンで, 成長ホルモン分泌促進や摂食亢進を担うとされており, 老年医学やリハビリテーションの分野において, これらの生理作用が期待され, 近年注目されてきた. 咀嚼時の口腔刺激は消化管運動を誘発 するとされることから, 口腔ケアによる口腔感覚や唾液分泌がグレリン分泌改善 につながると考えられた. そこで, 非経口摂取の入院中要介護高齢者に対して機能的口腔ケアを実施し, 血漿中活性型グレリン動態との関連性について検討した. 実施...

舌骨上筋群に対する経皮的電気刺激と運動療法の併用治療が嚥下障害患者に及ぼす影響

日本物理療法学会会誌 に「 舌骨上筋群に対する経皮的電気刺激と運動療法の併用治療が嚥下障害患者に及ぼす影響 」(北裏真己, 松井有史, 今井教仁, 杉下周平, 野田哲哉, 三谷剛洋, 庄本康治, 村田和弘, 角谷直彦, 20:27-34, 2013.)が掲載されている。   要旨は「本研究の目的は舌骨上筋群のみに電極を貼付した VitalStim(VS)とShakerEx(SE)の併用治療(CT) が嚥下機能に及ぼす影響を調査することとした. 【方法】 対象は, 3施設に入院中の嚥下障害患者28名(平均年齢: 78.97±10.27歳)とし, VSとSEの併用治療(Combination Therapy: CT)群14名とSE群14名の2群に分けた. 介入は両群ともに30分/日, 5回/週, 4週間実施した. また, 通常嚥下訓練を30分追加し, 合計60分とした. 評価項目は嚥下機能スクリーニングテスト(MASA, FOIS, RSST, MWST), 嚥下造影(定性評価, 定量評価, 舌骨移動距離)とし, 介入前後に測定した. 【結果】 MASA, FOISは両群において, 介入前後で改善していた. 舌骨上方移動距離 の変化率は CT群のほうが大きかった. 【結論】 CTは舌骨上方移動距離を延長させる傾向があったが, 嚥下機能についてはSEと同等であった. 」と述べている。 本研究の考察として、CTで嚥下機能がSEと同等の理由として舌骨前方移動が改善しなかったことを述べている。となると嚥下の改善に関しては舌骨挙上よりも舌骨前方運動を改善することが重要になる。舌骨を前方移動させる舌骨上筋群といえば、オトガイ舌骨筋が出てくる。 今後、オトガイ舌骨筋を刺激して舌骨前方移動を促すアプローチを調べてみたい。              

経頭蓋直流電気刺激を用いた嚥下障害治療

The Japanese Journal of Rehabilitation Medicineに「 経頭蓋直流電気刺激を用いた嚥下障害治療 」  (重松孝, 藤島一郎, 金沢英哲 50: 913-916, 2013.)が掲載されている。                             要旨は「脳卒中後には代表的な障害の1つに嚥下障害がある. 嚥下障害を来すと, 脱水や低栄養, 窒息や誤嚥性肺炎などを生じさせ生命予後を悪化させると同時に, 生活の質(Quality of life:QOL)の低下を来す. これまでにも嚥下障害治療として様々な方法が考案されてきた. 嚥下障害治療は大きく体位調整, 食品調製などの代償的アプローチと嚥下障害の機能回復を目指し訓練を行う治療的アプローチに大きく分けられる. 近年, さまざまな嚥下障害の治療的アプローチが報告されている. 本稿では 経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS) を用いた嚥下障害治療について述べる. 「 非侵襲的脳刺激法 」脳の可塑性についての関心が高まり, 非侵襲的脳刺激法(non-invasive brain stimulation:NIBS)を用いた脳損傷に対する治療の報告が多くなってきた. 」と述べている。 これまでの嚥下訓練の多くは、直接訓練、間接訓練レベルであったが、近年機器を使用した嚥下改善効果の発表が増加している。特に脳頭蓋へのアプローチが増加しており、大脳皮質の活性化が嚥下改善につながっていることが分かる。 これを機器の無い、現場レベルで考えてみると、脳の賦活化を図ることで嚥下機能改善の可能性が考えられる。例えば体操、言語活動後嚥下訓練をすると改善効果が高まるとかあるかも知れない。 この文献を読んで感じたことは、徐々にではあるが、摂食嚥...

摂食・嚥下リハビリテーションへの取り組みの広がり

  歯界展望 に「 摂食・嚥下リハビリテーションへの取り組みの広がり 」(戸原玄 117(1): 148-151, 2011.)が掲載されている。 要旨は、「摂食・嚥下リハビリテーションが医療として取り組まれるようになってからの歴史は, 実はそれほど長いものではありません. 私がこのようなリハビリに取り組み始めたのは10年ほど前ですが, その当時は先進的な病院や, “熱心な”先生が個人で活動をしているというのが実情でした. 専門的な取り組みは“個”の単位であり, またその“個”自体が点在している状況であったといえます. しかし 近年では, 対応すべき患者数の増加に対応するため, 地域医療の現場にも摂食・嚥下リハビリテーションへの取り組みが広がってきています . 今回は, 大学病院や専門的な病院などでの取り組みではなく, 地域における取り組みの広がりなどをいくつか紹介したいと思います.」と述べている。 摂食・嚥下リハビリテーションは、チームアプローチで実施していくため、どの職種が主に何を担当しているかを認知しておく必要がある。当然、担当職種が不在のため実施できないといったものではないが、社会・人的資源として活用できる状態の有無を知っておく必要はあると思われる。 文中では歯科大学卒前教育に摂食嚥下リハビリテーション学を取り入れることを述べている。摂食・嚥下リハビリテーションは嚥下障害、嚥下のメカニズムについて学ぶことは重要であるが、チームへの参加、関わり方を知り実践することも重要と思われた。

急性期病院の役割・連携・在宅リハビリテーションの取り組み

癌と化学療法 に「 急性期病院の役割 ・連携・在宅リハビリテーションの取り組み 」( 若林 秀隆, 36): 5-7, 2009.)が掲載されている。                要旨は、「 急性期病院の役割は在宅で食べることのサポートであり, その一つに嚥下評価入院がある . 5日間の入院で嚥下造影, 喉頭ファイバーの他, 歯科・医科協働で多職種による評価を行い, 退院時に指導内容を記載した用紙を本人・家族や主治医などに渡している. 地域連携として横浜南部地域一体型NSTと神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会を立ち上げた. スムースな連携のためにNST(嚥下)施設間連絡票を作成し運用している. 年数回の連絡会と懇親会や, 地域内の嚥下相談窓口, 訪問STなどの情報把握と共有を行っている.  リハビリテーション科医師, ケースワーカー, PT, OTが自宅に訪問し, 摂食・嚥下機能や栄養状態を含めた身体・精神機能だけでなく, 家屋状況, 家族の介助能力, 社会参加などを含めて総合的に評価, 介入している.」と述べている。  ポイントは、文中の「 経口摂取にはこだわるが,経口摂取のみにはこだわらないようにする。 」の箇所と考えられる。経口摂食により、嚥下機能、腸管運動、栄養状態の改善が期待できる。しかし、経口摂食のみにこだわると経口摂食、誤嚥性肺炎の時期が重なった場合、禁食となり下手をすれば入院中に再発予防のため二度と経口摂食の機会が与えられない可能性がある。   そのため、適切な評価が重要になるが、適切に実施することで「 嚥下評価入院の結果,摂食・嚥下グレードが変更となった患者が多かったことより,嚥下評価入院は有用と考える 」結果になる。私も適切な評価ができるように自己研鑽していきたい。                        ...

介護老人福祉施設における口腔ケア・マネジメントの効果

老年歯科医学 に「 介護老人福祉施設における口腔ケア・マネジメントの効果 」花形哲夫,田村文誉,菊谷武,片桐陽香,関野愉,久野彰子,古西清司,高橋幸裕,矢島彩子,吉田光由,鷲見浩平,三塚憲二23,4,2009)が掲載されている。 要旨は「本調査は,介護老人福祉施設における歯科衛生士による口腔ケア・マネジメントの有効性を明らかにすることを目的とした。対象は,山梨県にある介護老人福祉施設に入居中の要介護高齢者142名で,A施設は82名(平均年齢85.9±7.5歳),B施設は60名(平均年齢85.6±8.3歳)である。調査期間は8ヵ月で,初回,4ヵ月後,8ヵ月後において口腔衛生状態の視診と口腔内細菌数の測定を行った。A施設では,歯科衛生士による口腔ケアの直接的介入を対象者20名に対して行い,他の対象者に対しては口腔ケアに関する情報提供と相談のみ行った。B施設では,歯科衛生士が口腔ケア・マネジメントの手法を用い,すべての対象者に対して個々のスクリーニング,アセスメントに応じたケアプランをたて,施設職員とともに口腔ケアの介入を行った。また今回の口腔ケア介入終了時に各施設職員へ意識調査のアンケートを行い,施設間の比較を行った。 本研究の結果より, 口腔ケア・マネジメントは,施設の状況,歯科衛生士の介入方法などを含めて全員に対してプランをたてていくことで効果がある ことが示され,本介入調査により口腔ケア・マネジメントの重要性が確認された。」と述べている。 昨日、菊谷先生の講演会に参加したが、口腔ケア実施前よりも実施後の方が口腔内細菌が多いことを話していた。そのため、口腔ケア後の処理を誤ると「口腔ケア性肺炎」につながる可能性があるとのことであった。予防方法としてしっかり吸引することが重要と説明していた。施設のみならず、病院でも口腔マネジメントをできる人材はまだまだ必要な印象を受ける。少なくとも現在、施設・病院内で口腔ケアに携わる者は、誤った方法で実施しないよう常に情報収集を心がけることが大切と思われた。                   

摂食機能療法の意義

JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATIONに「 オーバービュー 」(馬場尊20(2): 114-120, 2011. )が掲載されている。 要旨は「 摂食機能療法が診療報酬に新設されたのは1994年であった. 筆者が研修医を修了して2年目, 摂食・嚥下リハビリテーション(以下リハ)をようやく知り始めた頃であった. この頃, いまだ言語療法士は国家資格化されておらず(1999年に国家資格), リハの診療報酬請求を, 複雑なもの(40分, 言語は30分), 単純なもの(15分)の2つの区分のみで行っていた時代であった. このようなときに忽然と摂食機能療法が登場した. しかも, 医科のみならず歯科にもであった . このような控えめな記載で, これを行う職種, 内容は明記されていなかった. この摂食機能療法が新設された背景は知らないが, 翌年の1995年は日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が研究会として始動した年であり, 摂食・嚥下リハの萌芽期の尖刃を切った出来事であったのだと思う. 」と述べている。 ここで大事なのは、文中でもあるように、「 摂食・嚥下障害についてあまり知らないものが,漫然と食事介助をして摂食機能療法を行ったと算定することは不可能ではない.しかし,このようなことは許されるものではない 」ことである。実際一人の患者に対しSTが脳血管等疾患で、病棟看護師が摂食機能療法で算定している病院もあると思われる。その際、大切なのは、一人一人の摂食嚥下障害に対する意識と思われる。意識化を病院に根付かせることは大変と思うが、必ず取り組むべき課題であると言える。