嚥下障害のリハビリテーション - 病態別対応の重要性について -

音声言語医学に「嚥下障害のリハビリテーション - 病態別対応の重要性について -」 (木村幸, 巨島文子 音声言語医学 55(4): 277-283, 2014.)が掲載されている。

要旨は「 嚥下障害の原因疾患は脳卒中, パーキンソン病や頭頸部腫瘍術後など, 多岐にわたる. 嚥下障害の病態を正確に評価し, 原因疾患に適した治療を選択して, リハビリテーションなどの治療をチームで施行する必要がある. また, 症例によっては治療を一施設のみで完結することはできないため, 摂食・嚥下障害者を取り巻く関連施設や関連職種などとの地域連携が必要である. 本論文では, 当院での摂食・嚥下リハビリテーションの病態別対応と地域連携の実践を脳卒中, パーキンソン病の慢性期重度嚥下障害3例を提示して紹介する.」と述べている。

1症例目は右被殻出血、2症例目は右橋・延髄・小脳の脳梗塞、3症例目はパーキンソン病であり、いずれの症例も重度嚥下障害を呈しているため、チームアプローチによる嚥下障害改善を目指している。
嚥下障害の治療において、本文では「嚥下障害の訓練はエビデンスが乏しいため,病態に即した訓練や治療を本人・家族の同意を得たうえで実施する必要がある.」と述べている。
病態に即した訓練を行うためには、医師と嚥下訓練実施者の共通の理解、意思の疎通が重要になる。そのためには、嚥下訓練内容も重要であるが、意思の疎通を図るためのコミュニケーション能力も大事であると思われる。

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