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身体活動・運動と循環器疾患

心臓 に「 身体活動・運動と循環器疾患 」 (福島教照, 井上茂47(1): 9-16, 2015.)が掲載されている。   要旨は「近年のわが国における身体活動・運動をめぐる動向としては, 2013年に身体活動に関する指針が改定されたこと, 健康日本21 (第二次) が策定され, 国民の身体活動の新目標値が示されたことがあげられる. 本稿では, 身体活動・運動が総死亡および循環器疾患へ及ぼす効果を解説し, 国内外の身体活動の現状を確認し, 生活習慣病・循環器疾患予防に向けた今後の身体活動推進対策について述べる. また, 最後に身体活動をめぐる最近の話題として, 座位行動 (Sedentary behavior) に関する情報を提供する. 「身体活動・運動の効果」身体活動・運動が循環器疾患や癌などの非感染性慢性疾患 (Noncommunicable disease ; NCD) の発症リスクおよび総死亡率を低下させることは, 多くの疫学研究により実証されている. 米国身体活動諮問委員会が実施した大規模レビューの最終的な結論では, 活動的な生活習慣 (週150分以上, 中強度以上の身体活動) を実施する者は心血管疾患の罹患率, 死亡率が20~30%程度低いとされている. 」と述べられている。    今回、関心を持った文章に座位行動(Sedentary behavior)がある。特に、筆者らが述べている、運動療法等以外の時間をずっと座位で過ごしていれば、全体の運動量は不足になるということについては、その通りだと思う。  では、立位の時間をどのように確保するかが課題であり、病院であれば、リハビリ以外の時間に立位姿勢の機会を持つというのが望ましいがマンパワーの問題等が考えられる。  今後は座位活動を少しでも短くするための取り組みが報告されると思われ、注目していきたいと考える。    

アセスメントの重要性を再考する

近代口腔科学研究会雑誌に 「 TMD の臨床―occlusal splint療法を考察する―」   (朝田文郷 ,  39(1): 71-79, 2013.)が掲載されている。 要旨は「近代口腔科学研究会の例会で, ある会員より提示された症例をもとにTMDの治療について検討が行われた. その会員の診療所では, TMDの治療には, すべての症例においてocclusal splintを用いているそうである. 検討の結果, その会員のTMDの治療は多くの問題を含んでいて, それは 医療行為とは呼べないという 意見が会場から数多くあがった. 特に 問診も含め診査に関してはまったく不十分 であり, それでは患者の状態を正確に判断し診断を下すことさえできないということが示唆された. また, occlusal splintはTMDの治療の能力がない歯科医師が何も考えずに用いているだけの道具であるとか, "顎関節症"という言葉をいまだに使用している日本の歯科界はそのことだけでも世界から取り残されているなど, 会員から多くの意見が出された. 」と述べている。  本文は顎関節症の治療の検討であるが、症例検討の内容を逐語録として掲載されており、内容を読むと、症例提示した先生の診断根拠に乏しいことが記載されていた。これはリハビリを実施する際のアセスメントにも通じるものがあり、リハビリ依頼に診断名は記載されているものの、具体的にどのようなアプローチを行うかは適切なアセスメントに基づく。  本文中に「A先生はただの思いつきで関節円板が転位したとか,顆頭の動きが制限されているとか,言っているだけだと思います。」と述べられており、思いつきによるアセスメントであれば、治療法も違ったものになり、結果としてニーズは満たされないことになる。自分にも当てはめてみると、「なぜこのアプローチをしているのか」と聞かれたときに適切な根拠を説明できることが肝要であり、それは適切なアセスメントに基づかなければならないと考えられる。    

大人の発達障害とセラピスト!?

今回は、閑話休題的内容にしました。 日本心療内科学会誌 に「 発達障害に気づかない 大人 たちへのプライマリー・ケア (初期対応)」(星野仁彦15(4): 230-236, 2011.)が掲載されている。   要旨は「発達障害は各種精神障害の中でも, 本人にとっても周囲にとっても気づかれにくく, 「見えない障害」であると言える. 知的機能が低い知的障害者や低機能自閉症(広汎性発達障害)は, 比較的早期(幼児期・学童期)に発見されて, 医療・教育・福祉の対象になりやすい. しかし, いわゆる軽度(高機能)の発達障害である注意欠陥・多動性障害(ADHD)やアスペルガー症候群(AS)などの発達障害は障害と気づかれないまま, したがって 医療や特別支援教育の対象にならずに, 親や教師からの過大なプレッシャーやいじめの対象になり, 思春期・青年期になって, 自己評価が低くなり不登校, 反抗挑戦的行動, 行為障害(非行), うつ状態などを示して学校に不適応となることがある. 更に彼らは成人になるとうつ病, 不安障害, 各種の依存症(アルコール, 薬物, 過食, 浪費, ギャンブル)などに発展 することも少なくない.」と述べている。  例としてBさんのケースが述べられているが、「仕事も人間関係も全て自己流」。上司から「ジコチュー」と評価され、日常生活でもB 男さんはだらしなく、「食べっぱなし,脱ぎっぱなし,置きっぱなし,読みっぱなし」で,部屋の中はメチャクチャである。と決して他人事に聞こえない所が恐ろしい。 また、「大人の軽度の発達障害者は,社会への適応レベルや職業,年収などが千差万別で人生の満足度に大きな違いがあり、その境遇にはまさに天と地ほどの差がある。」と適切な職業選択の重要性についても触れている。  職業で考えると、セラピストはチームで関わる職業であり、自分勝手な行動が患者のみならず同僚にも迷惑をかける。そのため、自分がうまくいかないと感じたら早期受診による適切な治療が重要と思われた。言い方は悪いかもしれないが、適切な治療を受けない(認めない)ためうつ病となり、長期欠勤となってしまったら、自分だけでなく周囲も辛い思いをするのではないだろうか。    ...

研究における対象者選択

理学療法に「 対象者をどうやって選ぶか? データを取る方法の問題を考えてみよう 」(日高正巳28(3): 496-503, 2011. )が掲載されている。  要旨は「1. 全数調査以外の研究は, 抽出された標本の特性から母集団の特性を推測するために行うものであり, 対象者を的確に選ぶことができているか否かが研究の成否を左右する. 2. 対象者を選択するには, 研究目的に応じて取り込み基準と除外基準を明確にし, 選択バイアス, 交絡を考慮することが必要である. 3. 調査研究では回収率を上げることが求められ, そのためには, 依頼状, 督促状などの丁寧な連絡方法が役立つ. 4. 対象者が思うように集まらず少数の場合 には, 結果の統計処理ならびに解釈においてその点を考慮する必要があり, その研究を 予備研究 としてその後の研究につなげることが大切である.」と述べている。  文中では、対象者が思うように集まらないことについても、「外れ値を示す対象者のように, 理学療法が対象とするのは一個人 である.無作為化比較対照研究が重視される時代となってきているが,その一方で,1例1例を詳細に検討する ケーススタディも極めて重要 であり,理学療法研究の基本であることは間違いないだろう.」と述べている。  まずは自分が担当した貴重な経験を発表(シングルケーススタディ)から始め、次に群間比較研究につなげていけば、研究法の理解も進んでいくと思われた。

研究テーマの決め方

昨日に引き続き研究方法の文献である。 理学療法に「 研究テーマの決め方 」( 古名丈人 27(11): 1343-1348, 2010.)が掲載されている。 要旨は「1. 研究を始めるためには, まず研究プロセスの理解と研究リテラシーの醸成が必要である. 2. 良い研究仮説を構築するには PICOT を利用するとよい. 3. 良い研究仮説か否かを確認するには FINER が利用できる. 4. 研究を行っていくには自身の研究に関する時間的・空間的理解が大切である.」と述べている。  昨日はPECOについて記載したが、PICOTというのもあり 、P:populationもしくはpatients(患者または対象者),I:intervention(介入),C:comparison(比較),O:outcome(帰結),T:time frame(時間的枠組み) である。ちなみにFINERは, F:feasible(実行可能性),I:interesting(興味・関心),N:novel((広い意味での新規性),E:ethical(倫理),R:relevant(科学的意味,臨床的意義・関連) である。  ここで、セラピスト別研究について考えてみると、理学療法士や作業療法は関連本として、「理学療法」「PTジャーナル」「OTジャーナル」といった雑誌があるが、言語聴覚士関連では協会誌「言語聴覚療法」(一応定価が記載されているが、まず書店に置いてない)のみである。また、言語聴覚士は大卒2年課程もあり、この課程で自己の経験上卒業研究をするのは大変である。そのため、言語聴覚士が研究法を学ぶ機会は少なく、卒後研究も個人の意欲と力量によるところが大きいと言える。この状況から考えると、リハ科内で研究法を熟知した者(リハ科医師等)が定期的に講習会を行い、卒後も研究法を学ぶ機会を継続することが重要と思われた。  

リハビリ研究の必要性

理学療法に「 研究とは何だろう?なぜ研究が必要なのか? 」(対馬栄輝27(2): 352-356, 2010. )が掲載されている。 要旨は「1. 理学療法士は理学療法の専門家である. したがって研究の必要性を自覚しなければならない. 2. 理学療法の臨床で疑問を持つ意識と, その疑問を解決しようとする行動が大切である. 3. 臨床での疑問を要約するためのツールとして, PECOが便利である . 4. 多分野にわたる知識を基盤とするとしても, 理学療法に必要な理学療法独自の研究方法論が求められている. 「“研究はわからない, 必要性を感じない”」私は大学で教職に就いており, 講義で繰り返し研究の必要性を訴えているから, ほとんどの学生はそれなりに必要性を感じているようである. ところが卒業生に聞いてみると, 「 臨床業務が多忙で研究はできない 」とか, 「研究はともかくとして技術の習得の方が重要だ」とか, 「 成書の読み合わせによる知識の蓄積のための勉強会は定期的に行っているが…… 」, という答えが返ってきた. 「研究はわからない, 結局必要性を感じない」という声まで聞こえる. 」と述べている。 実際、臨床現場で勤務していると、つい「忙しい」と述べてしまいがちになる。これは後からデータを抽出しようとすると大変であるが、発想を転換し普段から職場の個人情報保護に触れない範囲でデータを日々記載しておけば、研究開始時の時間的ロスは短くなるのではと考える。 私自身、今更であるが、このシリーズを読みPECOを考えていきたい。 ちなみにPECOとは本文では、P(patients):どんな患者(対象者)に、E(exposure):何をすると、C(comparisoh):何と比べて、0(outcome):どうなるか。と紹介されている。

STからみたNST専門療法士研修2

今日で3日目が終了した。あと2日!と言うことで栄養管理の文献を検索してみた。 呼吸器ケアに「 静脈栄養はどのように行えばよいですか ?」(佐藤格夫, 苛原隆之, 久野将宗, 稲垣栄次9(2): 229-234, 2011.)が掲載されている。  内容は「経腸栄養が十分投与可能であれば, 高カロリー輸液を使う必要はありません. しかし重症患者では, 経腸栄養を十分に投与できないときや, 中止するときもあります. 経腸栄養が禁忌になると完全静脈栄養の知識が必要になります. 基本は5大栄養素を考えることであり , 日ごろ使用している 高カロリー輸液製剤の成分を見ることがとても大事 だと思います. まず, 目標投与エネルギー量, タンパク質の必要量, 脂肪乳剤に関する注意事項, また, ビタミン・微量元素の必要性の理解が大切です. 理解が深まれば, 高カロリー輸液に対する処方の意味がわかるようになると思います.」と述べている。  ポイントは「 重症患者で中心静脈栄養が当初から入っている患者でも早期から経腸栄養と静脈栄養(高カロリー輸液)の併用は控えるべきです .具体的にいうと,経腸栄養からの目標カロリーが60%を超える場合,高カロリー輸液によるTPN は用いません.」と述べている。これはRefeeding症候群の考慮からくるものと考えられる。一般に栄養投与といっても種類は豊富にあり、選択には医師のみならず、薬剤師や看護師、栄養士が関わってくる。NSTカンファレンスに参加させていただいた際、嚥下機能についての話題も出ていた。STが栄養を理解することで、栄養管理話題に参加でき、かつ嚥下機能改善の見通しから経口摂食までの栄養管理提言をしていくことが可能になると考えられた。

STからみたNST専門療法士研修

本日より5日間、NST専門療法士取得のため40時間研修に参加している。 初日となった今日から早速ケースが渡され、NSTの視点から自分ならどう対応するかを早速考えさせられた。 これまで、輸液の成分については大まかな概要しか知らなかったが、患者一人ひとりに現在どの程度の栄養が必要で、しかも栄養成分割合まで考えた事など皆無なため、本当に勉強になった。 しかも、研修先の管理栄養士の方たちは病棟で嚥下機能についても確認しており、もうこれからの時代は、超職種型(各職種の境界が不明瞭)の時代だと思った。 そう考えると自分も含めダブルライセンスを持っていても不思議ではないと実感した。

NST専門療法士とセラピスト

臨床病理レビュー   に「 栄養サポートチーム関連する資格(NST専門療法士) 」(森嶋祥之, (144) : 113-115, 2009)が掲載されている。 要旨は「栄養サポートチーム(NST:nutrition support team)に関連する学会認定資格は, 日本静脈経腸栄養学会認定の「栄養サポートチーム(NST)専門療法士」と, 日本病態栄養学会認定の「栄養サポートチーム(NST)コーディネータ」がある. 「栄養サポートチーム(NST)専門療法士」には, 日本静脈経腸栄養学会の学会員である栄養士, 薬剤師, 看護師および臨床検査技師を対象に, 主として静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有することを認定している. 」と述べている。 JSPENのHPに今年の NST専門療法士合格者が掲載されている。セラピストでは、理学療法士3名、作業療法士1名、言語聴覚士6名、歯科衛生士1名合格している。 言語聴覚士の合格者が多いのはNSTチームに所属している割合の多いことが影響していると考えられる。 これからの時代はセラピストが栄養状態を考えないリハビリは無くなると思われる。私自身もいずれNST専門療法士を取得して、栄養を理解した嚥下リハを実践していきたい。

セラピストとBLS

本日は、今月で期限の切れるため、BLSリニューアルコースを受講した。  先週ACLSを受講したこともあり、成人の CPR(CardioPulmonary Resuscitation) は何とかできたが、幼児のCPRは首を保持するのに手間取ってしまった。(乳幼児に触れる経験がほとんどないため)  CPRの手技は院内・院外問わず医療者として覚えておく手技と思う。実際ある患者は心房細動で倒れた際、同僚からCPRを受け蘇生したとのことであった。 自分がいざ、場面に遭遇しできるかは、定期的な訓練によって養われると考える。 私は現在、言語聴覚士で勤務しているが、循環器病棟の患者も担当しているため、いつかBLSやACLSの知識・技術が役立つかもしれない。  BLSの知識・技術は院内・院外問わず実践できるものであり、セラピスト全員取得してもよいのではと考える。

セラピストと胸部画像

臨床研修プラクティス に「 胸部単純X線写真の読み方 」(佐藤雅史, 5(8) : 6-15, 2008)が掲載されている。 要旨は「胸部単純X線写真の読影は, まさに単純写真と呼ばれるだけあって単純かつ簡便な臨床業務ですが, 甘く考えて仕事をしていると, 時に痛い目にあってしまいます. しかし, 見落としを恐れるあまり慎重になりすぎてしまうのも問題です. 胸部単純X線写真の読影に自信がないからといって, 胸部CTを安易に依頼するような態度は慎むべきだと思います. そして, 明らかな「見落とし病変」と, 後で見直して初めて病変の存在が分かる「見直し陽性病変」とは分けて考えるべきであり, 絶対に見落としをしない完壁な読影レベルにまで到達することは, どんなに経験を積んでもまず不可能と思っていた方がよいでしょう. 」と述べている。  文中で、覚えやすい視線の追い方として「 小三J読読法 」が紹介されている。 内容は「まず,気管透亮帯と 左右の肺尖部 を「小」の字を書くように視線を追い、次に「 三 」で左右の肺野を上肺野・肺門・下肺野と視線を動かしながら観察する。最後の「 J 」の字で縦隔や心臓,そして横隔膜下に隠れている肺癌などを見落とさないために必要」と述べている。  嚥下障害、特に誤嚥性肺炎患者を担当するセラピストは、胸部画像内容全てに精通している必要はないと思うが、肺炎の有無、場所は画像より読めるようになりたい。肺炎の箇所や程度により、摂食・嚥下リハビリテーションの内容も違ってくると考えられるからである。  今回の「小三J読読法」はセラピストにも応用できる内容であり、ぜひ臨床の場で使用していきたい。

セラピストとホワイトニング

現在、歯科治療に通院しており、ホワイトニングの広告に目がとまったので調べてみた。 デンタルハイジーン に「 ホワイトニングの基本を知ろう ! 」 (大槻昌幸, 29(10) : 1054-1057, 2009)が掲載されている。  要旨は「少ない侵襲で審美的改善を行うことができる歯のホワイトニングは, 患者さんの“ 健康で美しい歯 ”への関心が高まるにつれ, 急速に普及してきた, ホワイトニングの施術においては, 歯科医師の指示のもとで歯科衛生士が行う多くのプロセスがあり, 歯科衛生士の活躍の場として注目されている. また, ホワイトニングは, 患者さんの口腔ケアに対するモチベーション向上のための有効な手段となるので, 歯科衛生士としてホワイトニングに関する知識を身につけておくことは必須である. しかし, ホワイトニング治療が広まる一方で, 患者への十分な説明を行わずに施術をしたり, 必要な知識・技術を身につけずに処置を行うことは, トラブルや医療事故を引き起こすことにつながりかねない. そこで, 本稿では, ホワイトニング治療をはじめる第一歩として, 特に安全性に着目して, ぜひ知っておきたいホワイトニングの基礎知識をまとめてみた.」とある。  ホワイトニングとは一言で言えば黄ばんだりした歯を再度白くすることである。  歯のホワイトニングは,歯内治療を行った無髄歯を対象とする「ウォーキングブリーチ」とおもに有髄歯を対象とする「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」に分けられる。  セラピストは患者と向き合ってリハビリテーションを実施する機会が多い。普段マスクをしていても、患者と話をする際はマスクをとり、自分の歯をみられる機会があると思う。その時、口臭がひどかったり、歯が必要以上に汚れているのをみると患者はどう思うであろうか。大概のセラピストは昼休憩後歯磨きをしているが、もしかしたら歯磨きだけでは不十分かもしれない。  機会があれば、私もホワイトニングを受けてみたいと思う。(ちなみに保険適応外のため3万~5万程かかるそうである)

Review of ‘Sick House Syndrome’

環境が患者に与える影響について考えていたところ以下の論文があった。 日本衛生学雑誌 に「 シックハウス症候群に係わる医学的知見の整理 」(関 明彦, 瀧川智子, 岸 玲子, 坂部 貢, 鳥居新平, 田中正敏, 吉村健清, 森本兼曩, 加藤貴彦, 吉良尚平, 相澤好治, 62(4) : 939-948, 2007.)が掲載されている。 内容は「I. 緒言 1990年代後半から, 居住環境中の空気質悪化に起因する健康障害, いわゆる「シックハウス症候群」(Sick House Syndrome;SHS)が社会問題となってきている. これに対して, 当時の厚生省が研究班を組織し, その原因究明と対策方法の検討を行ってきたのをはじめとして, 様々な角度からの調査, 研究が行われ, 今日までに数多くの研究結果が報告されている. また, 日本衛生学会からも「シックハウス症候群に関する見解」が示されている. しかし, SHSの研究についてはさまざまな分野の学会, 研究者が関与していることもあって, 体系的に研究が実施され, その成果も体系的に取りまとめられているとは必ずしも言いがたい. 何をもってSHSとするかの診断基準が研究者により異なっていたり, 発症原因としての化学物質や生物学的要因の検査方法が研究により異なっていたりするなど, 研究手法が必ずしも確立されているとはいえない. また, SHSの病態や原因, 診断, 治療に関しても, 個別には多くの知見が得られているが, 医学的知見を総合的に評価した報告は少なく, 一定の見解が得られているとは言えない.」と述べている。  著者らはSHSの原因に 化学的要因(ホルムアルデヒドやトルエン等) と 生物学的要因(カビやダニ等) を挙げている。 他にも 物理的要因(温度、湿度) があり、これらが複合的に影響しSHSを引き起こす。  私達セラピストはリハビリテーション室や言語聴覚療法室でリハビリテーションを実施する機会が多いが、環境として安全かと問われると分からない部分が多い。また、リハビリテーション室のみならず、病院全体も同様である。病院環境が与えるSHS影響の研究をいずれresearchしたい。

防災士とセラピスト

日本集団災害医学会誌 に「 災害時派遣医療チーム(DMAT)を中心とした地域災害医療体制充実への取り組み 」 (武山佳洋, 小出明知, 沢本圭悟, 米田斉史, 河瀬亨哉, 益子健, 11(2) : 145, 2006)が掲載されている。 内容は、「【はじめに】当院は北海道南部, 南渡島地域の災害拠点病院として日本DMAT講習会に参加した. 講習受講者を中心とした, 地域における災害医療体制の充実に向けた取り組みを紹介する. 【方法, 結果】当院救命救急センター医師と看護師, 事務員が講習会を受講した. 看護師は独自に防災士の資格を取得し, 院内で災害勉強会を開催するほか, 市民に対する啓蒙活動を行っている. 医師は函館市地域防災計画の修正を働き掛け, 市内における災害発生時にDMATの出動が可能となるよう調整中である. また担当メディカルコントロール(MC)圏域においてトリアージや災害医療に関する研修会を開催している. 今後は院内災害訓練を企画・実施し, DMAT受講者の効率的運用が可能となるよう, 院内マニュアルを改訂する予定である. 院外においては, 市総合防災訓練への参加や市消防局との合同訓練開催を検討中である. 【まとめ】講習会参加は, 受講者の危機意識やモチベーションの向上に役立った. DMATは全国規模の災害における運用を想定し養成が進められているが, その実践的な教育内容から, 地域災害医療体制においても啓蒙活動を含めた有効活用が期待される. 国の防災基本計画の修正に伴い, 北海道地域防災計画も修正されDMATの役割が位置づけられた. 当院の所属する道南圏の災害医療体制の充実に向け, 他の災害拠点病院との連携も模索しながら, 今後も活動を続けていきたい. 」と述べている。  今回の東日本大震災でもDMATが出動したが、基本的にリハビリテーション職種がDMATで派遣される例は少ない。そのため、私自身、直接震災場所へ派遣がなくても、何か災害医療に役立てられるものはないか探していたところ、 防災士 があり昨年取得した。現在、防災士取得により災害医療に直結しているかと言えば違うが、カリキュラムにハザードマップを作成する講義があり、大変参考になった。もし現地に行くことになった際、あらかじめ地形や避難場所の構造を知り適切な避難体制をとることで、被災者を...

注意障害とセラピスト

The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjrmc/-char/ja/ に 「 注意障害におけるdivided attentionの「選択的」障害の症例を通して 」 (豊倉穣, 笹尾ゆう, 48(1) : 68, 2011)が掲載されている。  掲載内容は分割的注意であるdivided attention(DA)障害患者に対し、視覚課題, 聴覚課題を同時に行うdual task(DT)を脳損傷例2例に施行し評価したものである。結果は 2例とも標準注意検査法, WAIS-IIIなどは正常範囲であったが, DTでは低成績を示した。一方, DTが正常の別の1例では, 全く問題なく就労が達成できていた。  著者らは「 認知機能としての「注意」のコンポーネントの中で, 複数の課題や入力情報の操作を同時に行う については臨床現場での評価対象としてあまり着目されていなかった.」と述べている。  ここで考えることは、注意障害患者に対するアプローチでただ、無視・注意不十分側に注意をむけさせるだけでなく、患者がどの様な思考過程をしているかを考えることである。その上で患者自身が自分で注意不足を自覚し、改善するための思考過程を組み立てることと思う。    

セラピストと顔面神経検査2

再び「 耳鼻咽喉科検査マニュアル 」に記載されている。顔面表情の検査について触れたい。 嚥下評価で顔面神経検査を実施する時は、口角からの涎や摂食時の食塊残渣について評価することが多い。以前gross systemとregional systemについて、触れたが、顔全体の評価法であるgross systemを再度確認したいと思う。gross systemは1955年、Botmanらにより提唱された評価法である。 1 0度:顔面表情運動正常 2 1度:軽度麻痺(静止時異常なし。運動時軽い麻痺が出現。閉眼可能) 3 2度:中等度麻痺(静止時には顔面の非対称はなく、会話のとき、笑ったときに顔面の非対称が         目立つ。閉眼可能) 4 3度:静止時にも顔面の非対称があり、表情運動の機能不全は高度である。 5 4度:完全麻痺(顔面の緊張はなく、顔面表情運動の機能もない) 以上の5段階評価である。 現在は、改良版である6段階(House-Brackmann法)で使用されることが多い。 耳鼻科領域では聴神経腫瘍手術後の麻痺評価に使用されることが多いとのことであるが、摂食嚥下評価では、大まかな顔面神経麻痺の有無で使用されていると考えられる。

セラピストと感性

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マイセン 展画 セラピストは365日リハビリテーションを実施していたり、休日も研修に出たりと多忙な日々を送っている。そのため、ゆとりの時間がなかなか作れないと思われる。 今日は、特に予定もなかったためサントリー美術館 http://www.suntory.co.jp/sma/ でマイセン磁器展覧会に行ってきた。 マイセンは高級品であるが、今回展覧会に行きなぜ高級品足りえるのか 少し理解できたと思う。 ポイントは「感性」と「信頼」であり、300年の歴史の中で常に感性を磨いてきた職人達がいて、現在のブランドを形成していると思われた。 今回展覧会に行き、感じたことは「感性」を磨くことであり、周囲からの「信頼」を得ることで自分自身のブランドを形成できると思った。

セラピストによる顔面神経検査

顔面神経麻痺のリハビリテーションについて記載がされている。 http://www.zenniti.com/f/b/show/b01/343/zc01/3.html セラピストもリハビリテーション実施にあたり評価を先に実施するが、 顔面神経麻痺の評価法には大きく分けて2つあることが、「 耳鼻咽喉科検査マニュアル 」に 記載されている。 1つは顔面全体の印象を概括的に捉えて麻痺程度を評価する方法(gross system)。 もう一つは顔面をいくつかの単位に分け、個別に評価しその合計で評価する顔面部位別評価法 (regional system)である。 この章でも述べられているが、顔面神経麻痺の評価は主観によるところが大きく、客観的基準はまだ少ないのが現状のようである。 セラピストが評価する際はまだ主観的基準による評価が多いと考えられるため、文献等や実際の臨床で観察力を普段から向上させる努力が必要と考えられる。

成年後見制度とセラピスト

昨日、東京三弁護士会主催イベントによる成年後見制度の相談、講演があった。 http://www.toben.or.jp/news/event/date/20110205_1.pdf 私自身は社会福祉士を取得しており、また社会福祉士会成年後見制度団体である「ぱあとなあ」登録をしているため、概要は知っている。 しかし、成年後見制度を知っているセラピストは多くないのが現状ではないかと思う。 「 成年後見制度と権利擁護事業:システムと実践的課題 」 精神障害とリハビリテーション, 5(1) : 22-27, 2001. この論文の中で「社会福祉の実践的な立場は,当事者の意思決定を尊重するということの中身において法律的な立場とは異なる。」 とあり、セラピストに共通する姿勢と考える。成年後見制度や地域権利擁護事業を知ることで、MSWやDr.とのディスカッションも幅が広がるのではと考える。