注意障害とセラピスト

The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine,http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjrmc/-char/ja/
注意障害におけるdivided attentionの「選択的」障害の症例を通して(豊倉穣, 笹尾ゆう, 48(1) : 68, 2011)が掲載されている。
 掲載内容は分割的注意であるdivided attention(DA)障害患者に対し、視覚課題, 聴覚課題を同時に行うdual task(DT)を脳損傷例2例に施行し評価したものである。結果は 2例とも標準注意検査法, WAIS-IIIなどは正常範囲であったが, DTでは低成績を示した。一方, DTが正常の別の1例では, 全く問題なく就労が達成できていた。
 著者らは「認知機能としての「注意」のコンポーネントの中で, 複数の課題や入力情報の操作を同時に行うについては臨床現場での評価対象としてあまり着目されていなかった.」と述べている。
 ここで考えることは、注意障害患者に対するアプローチでただ、無視・注意不十分側に注意をむけさせるだけでなく、患者がどの様な思考過程をしているかを考えることである。その上で患者自身が自分で注意不足を自覚し、改善するための思考過程を組み立てることと思う。

 
 

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