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日本理学療法士学会、栄養・嚥下理学療法部門増加について

 少し前の話になるが、 日本理学療法士学会 で「栄養・嚥下理学療法部門」が増加になった。 他に増加になったものとして 1)ウィメンズヘルス・メンズ ヘルス理学療法部門 2)学校保健・特別支援教育理学療法部門 3)がん理学療法部門 4)動物に対する理学療法部門 がある。  これらの部門は今後の医療において重要な役割を果たすと考えられ、先駆的と思われた。 特に「栄養・嚥下理学療法部門」は栄養のみならず、嚥下をうたっているところで興味深い。 現在、嚥下評価、リハビリについては言語聴覚士が担っているところが大きいと思われるが、 今後は理学療法士も嚥下評価、リハビリを主体的に行っていくことが期待される。  言語聴覚士協会で専門分野を検索すると認定言語聴覚士制度があり、 1)摂食・嚥下障害領域 2)失語・高次脳機能障害領域 3)言語発達障害領域 4)聴覚障害領域 がある。  これらは言語聴覚士の基本となる分野であり、まずは基本の中核を担う人材を育成しようという考えと思われる。  私見であるが、もし、理学療法士学会のように隣接領域から拡げていくのであれば、「栄養・呼吸・歯科」領域から拡げていければと考えられた。    

歯科とリハビリの臨床実習の違い

早いもので歯学部に入学してから3年が経過した。 臨床実習も半年経過し、あと半年もすると引き継ぎが始まる。  歯学科の臨床実習は、これまで経験してきたリハビリの臨床実習と違い、毎日登校するものの一日中バイザーに付きっきりという訳ではなく、概ね半日(1日)見学、診療補助等を経験し日によっては、自習の日もある。  また、専門科をローテートするのも特色である。思えば、リハビリの臨床実習で「今日は嚥下専門のST」、「今日は高次脳機能専門のST」ということはなく、ずっと担当バイザーのもとで臨床実習が行われる。  提出課題についても歯学科臨床実習では、レポートを1週間以内に提出といった形態が多く、リハビリ臨床実習で聞かれる「翌日までのレポート提出で夜眠れない」といったことは無い。  歯科とリハビリでは修業年数の違いもあるのだろうが、リハビリにおいてもゆとりのある、臨床実習を模索していくことで、学生が考える機会を増やし国家試験にもつながる臨床実習ができるとのではと考えられた。

高齢者の嚥下障害に対する理学療法

理学療法 に「 高齢者の嚥下障害に対する理学療法 」 (新屋順子28(9): 1136 -1143 2011)が掲載されている。 要旨は「嚥下機能は, 加齢に加え, 併存疾患, 使用薬物などからさまざまな影響を受けやすく, 健常高齢者でも摂食嚥下場面で違和感を訴える場合があり, 日常からの観察が重要である. 嚥下障害を有する症例に対するリハビリテーションでは, 嚥下機能向上のための介入のみならず, 身体機能改善や環境調整など総合的な介入 が必要である. 誤嚥性肺炎を発症した症例は低栄養, 体重減少がみられることが多いため, 離床や運動療法を進める際には栄養状態にも注意する必要がある.」と述べている。 文中に摂食・嚥下リハビリテーションチームの中での理学療法士の役割として 、1)姿勢管理・ポジショニングでの介入2)誤嚥性肺炎予防での呼吸理学療法による介入3)ADL低下予防を目的とした離:床,運動機能維持のための介入4)頚部および体幹の関節可動域確保5)口腔内の保清,観察とロ腔へのアプローチ が挙げられている。 特に摂食時の姿勢は重要であり、急性期では食事をベッド上で摂食することが多い。その場合、電動ベッドの折り曲がる位置が身長や姿勢と適合していないと傾いた状態で摂食していることがある。 また、ベッドの過度な足部屈曲は腹圧上昇を誘発し食欲減退につながる可能性がある。 そのため、ベッドの機能で骨盤のすべりを予防するのではなく、アンカーサポートを活用し滑りを予防することは必要と考えられた。病院によっては、理学療法士が摂食姿勢をみる余裕のないところもあるため、言語聴覚士もシーティングから誤嚥性肺炎を予防する意識をもつことも重要と言える。

大脳基底核と運動の関わり

Frontiers in Parkinson Diseaseに「 歩行の制御と障害のメカニズム 」 (高草木薫, 3(3) : 150-153, 2010.)が掲載されている。  要旨は、「大脳基底核の出力は, 大脳皮質に作用することで運動の開始や精緻運動など運動の随意的側面を, そして, 脳幹に作用することにより姿勢や筋緊張, 歩行や嚥下など定型的なパターン運動を調節する. したがってパーキンソン病では, これらの運動機能の障害が出現する。   歩行運動には3つの側面 がある. 第一の側面 は正確な制御を必要とする随意的な歩行動作である. 歩行の開始や障害物を回避する足の動きがこれに相当する. この随意的な歩行のプロセスには大脳皮質と大脳基底核(以下, 基底核), そして小脳から構成される認知ループと運動ループの活動が必要である.    第二の側面 は捕食や逃避, 逃走などの情動行動である(情動的プロセス). 大脳辺縁系(以下, 辺縁系)や視床下部から脳幹への投射系がこれに関与する. 情動行動では, これを誘発する信号の種類にかかわらず歩行や筋緊張の亢進など定型的な運動パターンが誘発される.  随意運動も情動行動も,歩行におけるリズミカルな四肢(手足)の運動やその際の姿勢制御には脳幹・脊髄における感覚一運動統合が必要であり,このプロセスは無意識かつ自動的に遂行される(自動的プロセス)。これが 第三の側面 であり,生得的なパターン運動(嚥下・咀嚼・サッケードなど)もこれに含まれる。」と述べている。  嚥下機能に注目すると、大脳基底核が嚥下反射に影響を及ぼすことはすでに報告されている。また、挺舌時tremorを示す患者がいるが、大脳基底核による影響が考えられる。となると、短絡的であるが、嚥下反射とtremorの有無・程度は関連があるのかという疑問が出てくる。可能であれば、関連性を調べていきたい。   

理学療法士、言語聴覚士国家試験と社会福祉分野

厚生労働省HPに 第46回理学療法士国家試験 と 第13回言語聴覚士国家試験 の合格率が掲載されている。 合格率 理学療法士74.3% 言語聴覚士69.3% となっており、理学療法士は約20%近く合格率が下がり、言語聴覚士は約5%増加している。単純に数字比較はできないが、セラピスト(特に理学療法士)は急増しており、国家試験による抑制が始まっている印象を受ける。 実際に学生に教えた経験があるが、学生が苦手とする分野は 社会福祉関係分野 であることが多い。理由の一つとして範囲の割に問題数が少ない(時間対効果が低い)ことが挙げられると思う。 万が一今年度不合格になってしまった方がいて、特に 社会福祉関係分野(他の科目でも可) を学びたい方がいたら、再度掲載するが、ぜひ家庭教師を活用して欲しいと思う。早期にできるだけ一人でも多くのセラピストが増えることを願ってやまない。

理学療法と摂食嚥下障害

理学療法京都に 「 摂食・嚥下障害と誤嚥性肺炎に対する理学療法アプローチ 」 (神津玲, (39) : 41-48, 2010)が掲載されている。  要旨として、「摂食・嚥下障害における理学療法の意義は、直接練習の効果をいかに高めるか、 安全な直接練習の展開をいかにサポート するかといった付加的、支持的な部分に集約される。 また誤嚥性肺炎を合併した際にもその早期改善を目指した管理にも貢献すべきである。  摂食・嚥下機能を意識した理学療法介入は①嚥下運動の促通・強化、②嚥下運動阻害因子の軽減・除去、③不顕性誤嚥のコントロール、④誤嚥物および貯留する気道分泌物の排出除去に大別でき、適切な適応に基づいて行うことでその効果が期待できる。」と述べられている。  よく、呼吸理学療法アプローチについて記載された内容は多いが、ここでは「誤嚥性肺炎を起こすと理学療法を一定期間中止せざるを得ない状況が生じる」と述べられている。  ここで考えるべきことは、 誤嚥性肺炎はリハビリテーションを停滞させる要因 であるため、嚥下訓練と併せ理学療法士による理学療法アプローチも並行して実施することが摂食嚥下訓練効率化と入院期間の短縮につながり大切であると考える。

理学療法士 言語聴覚士 国家試験について

 理学療法士と言語聴覚士国家試験が近付いている。 理学療法士:2月27日(合格率約90%) 言語聴覚士:2月19日(合格率約60%)  である。  私は両方受験しているが、感じることは理学療法士の受験対策本はとても充実していることである。基礎分野、専門分野別に対策本があり、かつ過去問解説も詳細である。  一方言語聴覚士はというと国家試験対策本は有名どころで、「 言語聴覚士国家試験過去問題3年間の解答と解説」 であり、バイブルのような存在である。  私が言語聴覚士を受験した際は「言語聴覚士指定講習会テキスト 第2版」を読めば大丈夫と言われていたが、今や言語聴覚士国家試験も一通りの知識だけでは通用しない時代となった。  理学療法士も国家試験対策本が多いということは、それだけの対策が必要であることを意味している。  「試験(特に国家試験)は 遅れてきたものは貧乏くじを引く(つまり落ちやすくなる) 」と何かの本に記載されていたが、本当に実感できる時代になったと言える。