身体活動・運動と循環器疾患

心臓に「身体活動・運動と循環器疾患」 (福島教照, 井上茂47(1): 9-16, 2015.)が掲載されている。

 
要旨は「近年のわが国における身体活動・運動をめぐる動向としては, 2013年に身体活動に関する指針が改定されたこと, 健康日本21 (第二次) が策定され, 国民の身体活動の新目標値が示されたことがあげられる. 本稿では, 身体活動・運動が総死亡および循環器疾患へ及ぼす効果を解説し, 国内外の身体活動の現状を確認し, 生活習慣病・循環器疾患予防に向けた今後の身体活動推進対策について述べる. また, 最後に身体活動をめぐる最近の話題として, 座位行動 (Sedentary behavior) に関する情報を提供する.
「身体活動・運動の効果」身体活動・運動が循環器疾患や癌などの非感染性慢性疾患 (Noncommunicable disease ; NCD) の発症リスクおよび総死亡率を低下させることは, 多くの疫学研究により実証されている. 米国身体活動諮問委員会が実施した大規模レビューの最終的な結論では, 活動的な生活習慣 (週150分以上, 中強度以上の身体活動) を実施する者は心血管疾患の罹患率, 死亡率が20~30%程度低いとされている. 」と述べられている。
 
 今回、関心を持った文章に座位行動(Sedentary behavior)がある。特に、筆者らが述べている、運動療法等以外の時間をずっと座位で過ごしていれば、全体の運動量は不足になるということについては、その通りだと思う。
 では、立位の時間をどのように確保するかが課題であり、病院であれば、リハビリ以外の時間に立位姿勢の機会を持つというのが望ましいがマンパワーの問題等が考えられる。
 今後は座位活動を少しでも短くするための取り組みが報告されると思われ、注目していきたいと考える。
 
 

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