摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性

Japanese Journal of Rehabilitation Medicineに「摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性」(小野高裕, 堀一浩, 藤原茂弘, 皆木祥伴, 村上和裕54(9): 666 -671 2017)が掲載されている。


要旨は「極薄型の舌圧センサシートを口腔内に貼付することにより, 自然な嚥下時の舌圧を多点で測定することができる. 舌圧の持続時間, 最大値, 順序性, 左右バランスなどのパラメータの変化は, 脳卒中, 神経筋疾患, 口腔中咽頭がんなど各疾患特有の舌のmotor controlの異常と関連しており, 不顕性の嚥下機能低下を捉えるうえで有用である. また, 嚥下時舌圧データは, 嚥下手技の舌に対する効果検証や, 患者個々の舌機能に応じた食品性状の設定に応用することによって, 摂食嚥下リハビリテーションにおけるさまざまなアプローチの合理化や効率化に貢献する可能性をもつと考えられる. 」と述べられている。
舌圧センサーシートはバルーン式に比し、測定部位が5つになるため、部位ごとに舌圧の推移が分かり大変有用である。
私が関心を持ったのは自分が所属している領域の
口腔中咽頭がん
・舌圧の部分的・全体的な欠失
・波形の乱れ(多峰性,非同期性)
・時系列上の接触パターンを喪失
・ピーク値の低下
・持続時間の延長
骨格性下顎前突 
・ピーク値の低下
・持続時間の延長
であり、機会があれば、舌圧センサーシートを使用し自分で測定していきたい。


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