急性期病院の役割・連携・在宅リハビリテーションの取り組み

癌と化学療法に「急性期病院の役割・連携・在宅リハビリテーションの取り組み」(若林秀隆, 36): 5-7, 2009.)が掲載されている。             
  要旨は、「急性期病院の役割は在宅で食べることのサポートであり, その一つに嚥下評価入院がある. 5日間の入院で嚥下造影, 喉頭ファイバーの他, 歯科・医科協働で多職種による評価を行い, 退院時に指導内容を記載した用紙を本人・家族や主治医などに渡している. 地域連携として横浜南部地域一体型NSTと神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会を立ち上げた. スムースな連携のためにNST(嚥下)施設間連絡票を作成し運用している. 年数回の連絡会と懇親会や, 地域内の嚥下相談窓口, 訪問STなどの情報把握と共有を行っている.  リハビリテーション科医師, ケースワーカー, PT, OTが自宅に訪問し, 摂食・嚥下機能や栄養状態を含めた身体・精神機能だけでなく, 家屋状況, 家族の介助能力, 社会参加などを含めて総合的に評価, 介入している.」と述べている。
 ポイントは、文中の「経口摂取にはこだわるが,経口摂取のみにはこだわらないようにする。」の箇所と考えられる。経口摂食により、嚥下機能、腸管運動、栄養状態の改善が期待できる。しかし、経口摂食のみにこだわると経口摂食、誤嚥性肺炎の時期が重なった場合、禁食となり下手をすれば入院中に再発予防のため二度と経口摂食の機会が与えられない可能性がある。
  そのため、適切な評価が重要になるが、適切に実施することで「嚥下評価入院の結果,摂食・嚥下グレードが変更となった患者が多かったことより,嚥下評価入院は有用と考える」結果になる。私も適切な評価ができるように自己研鑽していきたい。
 
                               

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