段階的嚥下食と誤嚥防止のための口腔ケア

難病と在宅ケアに「段階的嚥下食と誤嚥防止のための口腔ケア」(中山渕利, 戸原玄, 阿部仁子20(1): 63-66, 2014.)が掲載されている。

要旨は「近年, 摂食・嚥下障害を抱えた要介護者が増えるなかで, 安全でおいしい食事を提供するために在宅や介護施設にて食事形態や食事方法について様々な工夫がなされている. しかしながら, すべての摂食・嚥下障害者が適切な食事をしているわけではない. 実際, 摂食・嚥下機能に不釣り合いな食事は誤嚥性肺炎や窒息を引き起こすこともある. また食事方法を工夫すれば口から食べられるが胃瘻のみで栄養摂取を続けている場合もある. 摂食・嚥下障害者が安全に経口摂取を継続するためには, 食形態, 姿勢, 食べ方もしくは食べさせ方を適正にすることが大切である. つまり, 人によっては食形態がいくら適正でも姿勢が悪いと誤嚥することや, 食形態が不適切でも姿勢や食べさせ方が適切であれば誤嚥しない場合もある. 今回はこのうち"食形態"に着目して解説していることに注意していただければ幸いである. 」と述べている。

主に日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類と口腔ケアについて記載されているが、嚥下調整食分類について、具体的な食品が記載されており分かりやすい内容となっている。
例えば、「あい一とR」について、「食材の形態はそのままに、酵素均浸法を使って、食材の内部繊維を分解しており、舌で簡単につぶせて、コード3に相当する程度まで粒のない状態になるため、コード3の中でも比較的安全でおいしい商品である。」と述べている。
摂食嚥下リハビリテーション分野も可能な範囲から基準化が図られてきている。調整食、栄養管理について様々な発表がなされているが、肝心の摂食嚥下リハビリテーションの内容や基準化については、研究発表もまだ少ないのが現状だと思う。
今後も摂食嚥下リハビリテーションのエビデンスレベルを一つでも上げられる研究を考察していきたい。

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