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要介護高齢者に対する機能的口腔ケアと血漿中活性型グレリン値の関連性

 九州歯科学会雑誌に「 要介護高齢者に対する機能的 口腔ケア と血漿中活性型グレリン値の関連性 」 (木村貴之, 遠藤眞美, 永富絵美, 久保哲郎, 林田裕, 柿木保明  66(2): 29-38, 2012. )が掲載されている。                                                                               要旨は「わが国では要介護高齢者が増加しており, 非経口摂取者も増加していると考えられる. 近年, 要介護高齢者に対して日常生活の維持・向上にもつながる機能的口腔ケアを行うことが重要とされ, 歯科医療従事者が非経口摂取者を含む要介護高齢者に関わる機会が増加してきた. グレリン は, 主に胃から産生されるペプチドホルモンで, 成長ホルモン分泌促進や摂食亢進を担うとされており, 老年医学やリハビリテーションの分野において, これらの生理作用が期待され, 近年注目されてきた. 咀嚼時の口腔刺激は消化管運動を誘発 するとされることから, 口腔ケアによる口腔感覚や唾液分泌がグレリン分泌改善 につながると考えられた. そこで, 非経口摂取の入院中要介護高齢者に対して機能的口腔ケアを実施し, 血漿中活性型グレリン動態との関連性について検討した. 実施...

舌骨上筋群に対する経皮的電気刺激と運動療法の併用治療が嚥下障害患者に及ぼす影響

日本物理療法学会会誌 に「 舌骨上筋群に対する経皮的電気刺激と運動療法の併用治療が嚥下障害患者に及ぼす影響 」(北裏真己, 松井有史, 今井教仁, 杉下周平, 野田哲哉, 三谷剛洋, 庄本康治, 村田和弘, 角谷直彦, 20:27-34, 2013.)が掲載されている。   要旨は「本研究の目的は舌骨上筋群のみに電極を貼付した VitalStim(VS)とShakerEx(SE)の併用治療(CT) が嚥下機能に及ぼす影響を調査することとした. 【方法】 対象は, 3施設に入院中の嚥下障害患者28名(平均年齢: 78.97±10.27歳)とし, VSとSEの併用治療(Combination Therapy: CT)群14名とSE群14名の2群に分けた. 介入は両群ともに30分/日, 5回/週, 4週間実施した. また, 通常嚥下訓練を30分追加し, 合計60分とした. 評価項目は嚥下機能スクリーニングテスト(MASA, FOIS, RSST, MWST), 嚥下造影(定性評価, 定量評価, 舌骨移動距離)とし, 介入前後に測定した. 【結果】 MASA, FOISは両群において, 介入前後で改善していた. 舌骨上方移動距離 の変化率は CT群のほうが大きかった. 【結論】 CTは舌骨上方移動距離を延長させる傾向があったが, 嚥下機能についてはSEと同等であった. 」と述べている。 本研究の考察として、CTで嚥下機能がSEと同等の理由として舌骨前方移動が改善しなかったことを述べている。となると嚥下の改善に関しては舌骨挙上よりも舌骨前方運動を改善することが重要になる。舌骨を前方移動させる舌骨上筋群といえば、オトガイ舌骨筋が出てくる。 今後、オトガイ舌骨筋を刺激して舌骨前方移動を促すアプローチを調べてみたい。              

胃ろう増設高齢者における口腔ケアの与える影響に関する研究

 九州歯科学会雑誌に「 胃ろう増設高齢者における 口腔ケア の与える影響に関する研究 」 (唐木純一, 遠藤眞美, 柿木保明  67(2): 25-32, 2013. )が掲載されている。 要旨は「近年, 日本では胃ろうを造設する患者が増加傾向にあるが, その口腔内細菌叢の菌群構成に関する解析は散見されるのみである. そこで本研究では, 栄養摂取と口腔ケアが口腔内細菌叢 に与える影響を調べる目的で, 病院及び介護施設入所の胃ろう造設者を対象に, 口腔内細菌叢の解析を行った. 慢性期病院入院患者5名, 特別養護老人ホーム入所者2名の合計7名を対象とし, いずれも胃ろうによる経管栄養患者とした. 対象者の属性に加えて, 臨床検査とT-RFLP法による口腔内細菌叢の解析を行った. 口腔内細菌叢の解析を行ったところ, 残存歯数が10本以上 の対象者ではOTU233( Rothia sp.)とOTU308( Streptococcus sp.)の比率が高く, Streptococcus 属, Rothia 属が7割以上を占めていた. 残存歯数が10本以下 の対象者では Streptococcus 属, Rothia 属は4割以下であった. 残存歯数が無く, 口腔乾燥が認められる対象者のうち専門的口腔ケアを受けている者と受けていない者で細菌叢を比較したところ, 専門的口腔ケアを受けている 対象者では Streptococcus 属, Rothia 属の割合が多くみられた. また, 口腔ケアを受けていない対象者に対し, 専門的口腔ケアの介入を行い, 細菌叢の変化の比較を行った. 口腔ケア介入後では介入前と比較して Streptococcus 属, Rothia 属の合計割合は増加していた. 胃ろう造設者 では経口摂取の患者と比較して Streptococcus 属の比率が減り, 口腔内非常在菌が増加すると報告されている. 本調査により, 胃ろう造設者の口腔内細菌叢は, 残存歯数の影響を受けるが, 専門的口腔ケアの介入により改善 されることが示唆された. 」と述べている。 本文献は要旨以外は英語で書かれているため注意を...

下顎水平埋伏智歯抜歯時に生じた皮下・縦隔気腫の1例

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今度、下顎水平埋伏智歯を抜歯することになり、調べてみた。   日本口腔科学会雑誌 に「 下顎水平 埋伏智歯 抜歯時に生じた皮下・縦隔気腫の1例 」 ( 土肥昭博,原田清, 樋口雅俊, 中野佳央, 草間幹夫62(2): 192-197, 2013. )が掲載されている。 要旨は「  気腫 は種々の原因により組織が損傷し, 同部より 空気が. 侵入 することで発生するが, 顎口腔領域においても抜歯, 根管治療, 骨形成術や外傷等の偶発症として報告されている. 気腫は感染を伴うことで重篤な病態に陥る可能性を有するため, 発生の予防, 発生した場合の対応等を熟知しておくことは極めて重要と考えられる. 今回, われわれは下顎水平埋伏智歯の抜歯後に, 側頭部から心嚢周囲に至る縦隔まで広範囲に及ぶ気腫を生じた1例 を経験したので, 報告する.  「症例」患者:25歳, 女性. 初診:2009年10月. 主訴:左側下顎埋伏智歯周囲の違和感. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:左側下顎埋伏智歯周囲の違和感を自覚し2009年10月に当科を初診した. 現症:全身所見;体格は中等度, 栄養状態は良好であった. 口腔外所見;顔貌は左右対称で, 他に特記すべき所見はなかった. 口腔内所見;左側下顎智歯は歯冠の1/3が口内に露出していた. 」と述べている。 文献で、患者は水平埋伏智歯を抜歯後呼吸苦のため、即日入院となっている。 偶発症については、事前の説明が大事であり、特に今回のような縦隔への空気(図1)や細菌が侵入した場合、重篤な症状を呈する可能性があるため、常に留意するべき事項と思われる。 そのためには、解剖学的知識を常に考慮し知識を高めておくことが大事と思われた。 図1 矢印部分に空気侵入を思われる透過像確認                                        

しゃべりにくい, 飲み込みにくい

レジデントノート に「 しゃべりにくい, 飲み込みにくい 」 (片多史明 13: 2386-2393, 2012.)が掲載されている。 要旨は「1)しゃべりにくい患者は, 難聴, 失語症, 発声障害, 構音障害 の4段階で診察しましょう      (2)飲み込みにくい患者では, まず軟口蓋, 咽頭, 舌を診察し, 咽頭反射を確認, 反復唾液嚥        下テストを行います      (3)日内変動のある構音障害, 嚥下障害をみたら, 重症筋無力症を疑え      (4)“ ティッシュ徴候 ”をみたら, 延髄外側梗塞を疑え 「しゃべりにくい」「(1)どんな診察が必要か」患者が質問にきちんと答えるには, 聴力→言語理解→思考・喚語→発声→構音という言語機能の各過程が正常であることが必要です. しゃべりにくい患者では, この過程のどこかに障害があります. どこが障害されているかを絞り込むために, まず難聴の有無を確認し, 難聴がなければ, 次に失語症の有無をチェックします. 失語症がなければ, 発声障害の有無, 構音障害の有無を診察します. (2)診察の具体的なしかた, 診察結果の評価のしかた」「1)病歴聴取」「(1)自発語」しゃべりにくいことを主訴に患者が来院した場合, まずは病歴聴取をしながら患者の自発語を聞きます. 」と述べている。 ここで述べている「ティッシュ徴候」について、気になったので調べてみるとWallenberg症候群患者は唾液嚥下が困難であり、ベッド再度にティッシュを山のように積むので「ティッシュ徴候」とのことであった。 また、失語症の評価について,「文章理解,単語理解,喚語,復唱の4項目について,構音障害の場合は,口唇音,舌音,口蓋音の発声の状況と,麻痺性なのか,運動失調性なのか,錐体外路性なのかを記録しましょう」とあり、最初にここまでの記載があれば、リハビリ介入時イメージがつきやすく、評価医師とのCOMもスムーズに進むと思われた。

呼吸困難および嚥下困難になった前縦靭帯骨化症の1例

整形外科と災害外科 に「 呼吸困難および 嚥下 困難になった前縦靭帯骨化症の1例 」 (横須賀公章, 熊谷優, 田中邦彦, 五反田清和 62: 206-208, 2013. )が掲載されている。 要旨は「 頸椎前縦靭帯骨化症(以下OALL) は外来診療において, ほとんどは無症状であることが多いが, 今回我々は前縦靭帯骨化により嚥下・呼吸困難を呈した1症例に対して外科的治療を行い, 良好な結果が得られたので若干の文献的考察を加え報告する. 【症例】 74歳男性, 嗄声を主訴に近医を受診, レントゲンにてOALLをみとめ, 経過観察するも症状増悪し, 呼吸困難および嚥下不能となり, 気管切開・経鼻胃管留置される. レントゲン・CTにて第2頸椎から第1胸椎にかけて連続性のある高度のOALLをみとめた為, 頸椎前方アプローチにてOALLを切除した. 術後早期より呼吸・嚥下機能回復し, 現在は日常生活を送っている. 【考察】 高齢者の呼吸障害の鑑別診断の1つとして 念頭に置くべきであり, 患者の生活の質を考慮すると 適切な時期に積極的に骨切除 による除圧を行う必要があると思われる. 」と述べている。 今回の文献で参考になった箇所に気管・食道狭窄の原因として 1)二次的に生じる喉頭や食道の炎症・浮腫,かつ,食道の線維化や弾性の低下 2)突出部と輪状軟骨との摩擦による運動制限  3)突出部による喉頭蓋の声門上への倒れこみ妨害 4)喉頭・咽頭・食道に分布する神経の変性  と述べており、嚥下機能との関連はVF、VEにて確認しないと分からない部分である。 STが最初に嚥下機能を評価する場合、骨棘や骨変性による二次的障害は分かりにくいため、 嚥下障害を引き起こす明確な理由が出てこない場合考慮すべき内容と思われる。 また、今回は手術により嚥下機能は回復したが、病院によっては年齢や骨の状態により手術困難な場合も考えられる。この場合、リハビリテーション科、整形外科、耳鼻科とよく話合い、手術の必要性を確認しもし、現状維持の場合今後の対応を確認することが重要と考えられた。     ...

NHCAPにおける誤嚥性肺炎のマネジメント

治療 に「 NHCAPにおける 誤嚥性肺炎 のマネジメント 」(寺本信嗣 94: 49-54, 2012.)が掲載されている。 要旨は「医療・介護関連肺炎(NHCAP)は, あらたに定義された介助・介護を要する人に発症した肺炎であり, これらの患者では誤嚥のリスクが高い. そのため, NHCAPでは誤嚥性肺炎の頻度が高く, 治療についても, 肺炎治療と誤嚥治療を併用する必然性が高い. 抗菌薬治療は入院であれば, 誤嚥に関連する病原体に抗菌活性を有する SBT/ABP Cを中心に投与戦略を検討する. NHCAPには外来治療症例もあるため, この場合は レスピラトリーキノロン が有力な選択肢となる. これ以外に, 嚥下障害への対策と経口摂取への対応が必要になる. 肺炎予防には, 誤嚥内容物の細菌量を減少させる口腔ケアが有効である. また, 嚥下障害を悪化 させる, 喫煙, 抗コリン性薬剤 などの減量・中止も考慮する. 肺結核後遺症, COPDなどの基礎疾患を治療して, 肺機能を最善にしておく必要がある. さらに脱水の補正と栄養改善を図る. 肺炎球菌はNHCAPでも主要な起因菌であり, 肺炎球菌ワクチン接種が誤嚥性肺炎の予防 にも寄与する.」と述べている。 文中で、①嚥下機能は使われないと退化すること、②発声の筋肉群と嚥下の筋肉群はオーバーラップしているため,積極的に発声を促し,会話をすることが嚥’ド機能の回復に役立つことを述べている。 これは、誤嚥しても肺炎を起こさせないため、食前・食後に口腔ケアを実施してから早期に嚥下リハ&経口摂取を実施する必要性を述べている。また、喀出能力向上を高める必要性も述べている。しかし、患者が虚弱な状況では、意欲や発声が弱く十分な喀出につながらない可能性がある。 リハ栄養の概念を導入しながらも並行して喀出能力を高め、かつ適切な抗菌薬選択がNHCAP患者治療に求められると思われた。