しゃべりにくい, 飲み込みにくい

レジデントノートに「しゃべりにくい, 飲み込みにくい 」 (片多史明 13: 2386-2393, 2012.)が掲載されている。

要旨は「1)しゃべりにくい患者は, 難聴, 失語症, 発声障害, 構音障害の4段階で診察しましょう
     (2)飲み込みにくい患者では, まず軟口蓋, 咽頭, 舌を診察し, 咽頭反射を確認, 反復唾液嚥  
     下テストを行います
     (3)日内変動のある構音障害, 嚥下障害をみたら, 重症筋無力症を疑え
     (4)“ティッシュ徴候”をみたら, 延髄外側梗塞を疑え
「しゃべりにくい」「(1)どんな診察が必要か」患者が質問にきちんと答えるには, 聴力→言語理解→思考・喚語→発声→構音という言語機能の各過程が正常であることが必要です. しゃべりにくい患者では, この過程のどこかに障害があります. どこが障害されているかを絞り込むために, まず難聴の有無を確認し, 難聴がなければ, 次に失語症の有無をチェックします. 失語症がなければ, 発声障害の有無, 構音障害の有無を診察します. (2)診察の具体的なしかた, 診察結果の評価のしかた」「1)病歴聴取」「(1)自発語」しゃべりにくいことを主訴に患者が来院した場合, まずは病歴聴取をしながら患者の自発語を聞きます. 」と述べている。

ここで述べている「ティッシュ徴候」について、気になったので調べてみるとWallenberg症候群患者は唾液嚥下が困難であり、ベッド再度にティッシュを山のように積むので「ティッシュ徴候」とのことであった。
また、失語症の評価について,「文章理解,単語理解,喚語,復唱の4項目について,構音障害の場合は,口唇音,舌音,口蓋音の発声の状況と,麻痺性なのか,運動失調性なのか,錐体外路性なのかを記録しましょう」とあり、最初にここまでの記載があれば、リハビリ介入時イメージがつきやすく、評価医師とのCOMもスムーズに進むと思われた。

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