FTLD分類

Cognition and Dementiaに「前方型認知症の臨床症状と分類」 (小川雄右, 橋本衛, 池田学, 7(2) : 150-158, 2008.)が掲載されている。
 要旨は「前方型認知症は, 大脳の前方部すなわち前頭葉, 前部側頭葉を中心に変性をきたし, 著明な人格変化や行動異常を主徴とする認知症を包括する疾患概念である. その臨床症候の多様性ならびに臨床症候と神経病理学的なサブタイプとの不一致が, 本疾患の理解を複雑にしている. 本稿では, 前方型認知症の臨床的に最も実用的な疾患分類である前頭側頭葉変性症と, その疾患単位である前頭側頭型認知症(FTD), 進行性非流暢性失語症(PA), 意味性認知症(SD)を紹介し, その臨床症候と背景病理について概説した.
 前方型認知症は, 大脳の前方部, すなわち前頭葉, 前部側頭葉を中心に変性をきたし, 著明な人格変化や行動異常を主徴とする変性認知症を包括する疾患概念である(この疾患概念は, 前頭側頭型認知症と呼称されることもあるが, 大脳の後方領域が主として侵されるアルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)と区別する意味において前方型認知症が用いられることも多い). 」と述べている。
 FTD,PA,SDを包括してFTLDと言うが、実際臨床では単一症状で出現する機会もあれば、重複して出現することもある。FTLDに関して、高次脳機能症状に目が行きがちであるが、摂食・嚥下障害も併発しやすいことに留意する必要があると考える。

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