骨棘と嚥下障害
整形外科と災害外科に「巨大頚椎前方骨棘切除後に一過性反回神経麻痺を生じた1例」 (籾井健太, 中家一寿, 緒方淳也, 福元真一, 田縁竜一, 60(1) : 101-104, 2011.)が掲載されている。
要旨は「嚥下障害を伴う巨大頸椎前方骨棘に対する骨棘切除後に一過性反回神経麻痺をきたした1例を経験したので報告する.
症例は84歳男性. 5-6年前から嚥下障害が出現. 上部消化管内視鏡検査, 頭部MRIで異常なし. 嚥下造影検査でC3-7前方骨棘による嚥下障害を認め, 前方アプローチでC3-7骨棘切除術を施行. 術直後から喀痰の増加, 嚥下困難感と嗄声が出現. 後咽頭腔幅の増大と嚥下協調運動異常を認め, 胃管留置し, 嚥下機能訓練を継続した. その後, 嚥下造影検査で後咽頭腔幅の漸減を認めるものの, 摂食を開始することができない状態. 喉頭鏡検査を行い, 左反回神経麻痺を認めた. 徐々に嚥下機能は改善していき, 左斜前屈位で摂食が可能であることを確認. 胃管を抜去し, 摂食再開, 退院となった. 」と述べている。
調べてみると、 60歳以上の頸椎骨棘による嚥下障害患者は約11%発生するとあり、VFやVEによる頸椎骨棘確認は重要事項と言える。 しかし、本報告では「いかに注意をし、適切に手術を行ったとしても術後反回神経麻痺の発生を0%にすることは不可能である。」と述べており、本報告でも反回神経麻痺による、嚥下障害を呈している。
以上のことから考えると、骨棘による食塊通過障害残存と手術後に反回神経麻痺を起こすRiskを年齢・嚥下障害程度・栄養状態といった総合的に判断することが重要であると言える。
要旨は「嚥下障害を伴う巨大頸椎前方骨棘に対する骨棘切除後に一過性反回神経麻痺をきたした1例を経験したので報告する.
症例は84歳男性. 5-6年前から嚥下障害が出現. 上部消化管内視鏡検査, 頭部MRIで異常なし. 嚥下造影検査でC3-7前方骨棘による嚥下障害を認め, 前方アプローチでC3-7骨棘切除術を施行. 術直後から喀痰の増加, 嚥下困難感と嗄声が出現. 後咽頭腔幅の増大と嚥下協調運動異常を認め, 胃管留置し, 嚥下機能訓練を継続した. その後, 嚥下造影検査で後咽頭腔幅の漸減を認めるものの, 摂食を開始することができない状態. 喉頭鏡検査を行い, 左反回神経麻痺を認めた. 徐々に嚥下機能は改善していき, 左斜前屈位で摂食が可能であることを確認. 胃管を抜去し, 摂食再開, 退院となった. 」と述べている。
調べてみると、 60歳以上の頸椎骨棘による嚥下障害患者は約11%発生するとあり、VFやVEによる頸椎骨棘確認は重要事項と言える。 しかし、本報告では「いかに注意をし、適切に手術を行ったとしても術後反回神経麻痺の発生を0%にすることは不可能である。」と述べており、本報告でも反回神経麻痺による、嚥下障害を呈している。
以上のことから考えると、骨棘による食塊通過障害残存と手術後に反回神経麻痺を起こすRiskを年齢・嚥下障害程度・栄養状態といった総合的に判断することが重要であると言える。
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