口唇口蓋裂による嚥下障害

補綴について調べていたら以下の文献があった。
THE KITAKANTO MEDICAL JOURNALに「口唇裂口蓋裂に対するチーム医療」(根岸明秀
, 51(6) : 401-403, 2001)が掲載されている。
要旨は、口唇裂口蓋裂は出生率が低下した現在でも0.2%の割合で発生している, 本疾患に対する治療は出生時より成人にいたるまで長期にわたるものであり, 各領域の口唇裂口蓋裂専門医によるチーム医療が理想とされ, 欧米のみならず日本においても実践されつつある.初回手術までの歯科口腔外科的管理口唇裂口蓋裂児は, 出生時より審美障害のみならず吸畷障害による哺乳困難を認める. そのため, 初診時に上顎の型を採り, 直ちにHotz床を装着させる. 本装置は口蓋裂部を軟性レジンにより閉鎖するレジン製口蓋床であり, 哺乳時の鼻腔への漏出を防止し, 嚥下圧形成に役立つだけでなく, 粘膜面を調整することにより正常な顎発育を誘導可能とし, さらに正しい舌位の獲得を可能ならしめる装置である」と述べている。
 口唇口蓋裂による嚥下障害にはHotz床が選択され、言語聴覚士国家試験にも出題されている。口唇口蓋裂手術までの間は経管栄養になることがある。その際、管が裂傷部を押し付けたりする可能性があり、管の位置には留意を要すると考えられる。 

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