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accept paper 2

口腔内にサイトメガロウイルスが確認された症例報告が採用されました。 「Case Reports in Dentistry  」(CiteScore 1.100)に投稿していた「 A Case of Cytomegalovirus-Induced Oral Ulcer in an Older Adult Patient with Nephrotic Syndrome due to Membranous Nephropathy 」という論文がアクセプトされました。 The paper I had submitted was accepted.

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久しぶりの投稿になります。 「 Nutrición Hospitalaria」(IF 0.88)に投稿していた「 Assessment of the risk of malnutrition due to aspiration pneumonia and oral feeding difficulty 」という論文がアクセプトされました。 It's been a long time since I've posted. I had submitted a paper to Nutrición Hospitalaria (IF 0.88) called "Assessment of the risk of malnutrition due to aspiration pneumonia and oral feeding difficulty. Accepted.

口腔機能管理加算について

平成30年度歯科の診療報酬改定で口腔機能管理加算(100点:1000円)が新設された。 内容は 対象:65歳以上の口腔機能の低下を認める患者 条件:①口腔衛生状態不良    ②口腔乾燥    ③ 咬合力低下    ④舌口唇運動機能低下    ⑤ 低舌圧    ⑥ 咀嚼機能低下    ⑦嚥下機能低下(EAT-10、聖隷式嚥下質問紙) のうち3項目以上に該当し③、⑤、⑦のいずれかを含むとある。 ちなみに3項目にはそれぞれ検査が必要である。 ・咬合圧検査では デンタルプレスケールII、バイトフォース アナライザ ・舌圧測定では JMS舌圧測定器 ・咀嚼機能検査では グルコセンサーGS-II 上記の条件を満たした上で、 ・口腔機能の評価及び一連の口腔機能の管理計画を策定 ・患者等に対し当該管理計画に係る情報を文書提供 とある。  開業歯科医では機材にかかる費用、時間的制約や処置内容からすぐに実施するのは難しいかもしれないが、摂食嚥下障害に取り組む歯科医師の増加につながるのではないかと思われた。

舌圧検査応用のポイント

日本補綴歯科学会誌 に「 舌圧 検査応用のポイント 」( 森田晃司, 津賀一弘 9(3): 181-185, 2017.) が 掲載されている。 要旨は「二次介護予防事業の一つとして口腔機能向上サービスがあり, 高齢者でも簡単にできる口腔周囲筋を使うレクリエーションなどが行われている. しかしながら, そのサービスの利用は低迷している. 日本老年歯科医学会が提案する口腔機能低下の診断基準の中で, 舌圧の低下は, 摂食・嚥下機能の低下および食事形態の劣化と関連すること, また舌接触補助床の装着や口腔機能向上プログラムの実施により改善されることが紹介されている. 本稿では 舌圧検査のこれまでのエビデンスを検討し, 応用上のポイントを示すとともに, 健康寿命の延伸に貢献できる可能性がある 口腔機能向上プログラムへの応用と普及について提案する. 」と述べている。 本文中に、「舌圧訓練などによる検査・診断とエビデンスに基づいた口腔機能のリハビリテーションが、今まで困難とされてきた重度の摂食嚥下障害の予防にも有効である可能性を示す証拠である。」 私の最近の関心ごとは舌圧測定である。理由として①数値化しやすいこと、②歯科医師が関わる分野として舌(主に前舌2/3)があり、関連性が高いことがある。 今後、舌圧測定器(バルーンタイプ)や舌圧測定シート(小野ら)と高齢者との関連や疾患別について文献検索を進めていきたいと思う。

摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性

Japanese Journal of Rehabilitation Medicine に「 摂食嚥下リハビリテーションにおける嚥下時舌圧測定の有用性 」(小野高裕, 堀一浩, 藤原茂弘, 皆木祥伴, 村上和裕 54(9):  666 -671 2017)が掲載されている。 要旨は「 極薄型の舌圧センサシートを口腔内に貼付することにより, 自然な嚥下時の舌圧を多点で測定することができる. 舌圧の持続時間, 最大値, 順序性, 左右バランスなどのパラメータの変化は, 脳卒中, 神経筋疾患, 口腔中咽頭がんなど各疾患特有の舌のmotor controlの異常と関連 しており, 不顕性の嚥下機能低下を捉えるうえで有用である. また, 嚥下時舌圧データは, 嚥下手技の舌に対する効果検証や, 患者個々の舌機能に応じた食品性状の設定に応用することによって, 摂食嚥下リハビリテーションにおけるさまざまなアプローチの合理化や効率化に貢献する可能性をもつと考えられる. 」と述べられている。 舌圧センサーシートはバルーン式に比し、測定部位が5つになるため、部位ごとに舌圧の推移が分かり大変有用である。 私が関心を持ったのは自分が所属している領域の 口腔中咽頭がん ・舌圧の部分的・全体的な欠失 ・波形の乱れ(多峰性,非同期性) ・時系列上の接触パターンを喪失 ・ピーク値の低下 ・持続時間の延長 骨格性下顎前突  ・ピーク値の低下 ・持続時間の延長 であり、機会があれば、舌圧センサーシートを使用し自分で測定していきたい。

病気を持った患者の歯科治療

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今年の4月から大学院歯学研究科口腔外科に大学院生として所属している。 大学病院へは全身疾患を持った方が来院されることがあるため、病態と歯科処置の関連性を知ることが重要となる。 長崎県保険医協会から出版されている「病気を持った患者の歯科治療」を一読したが、 小さいながらも取り上げられている疾患の数も多く、カラーながら3500円とリーズナブルである。 これを機に全身疾患と歯科治療時の留意点について理解を深めていきたい。

パスに役立つ嚥下障害・誤嚥性肺炎・口腔ケアの基礎知識

日本クリニカルパス学会誌 に「 パスに役立つ嚥下障害・誤嚥性肺炎・口腔ケアの基礎知識 」(高畠英昭 18(3): 249-253, 2016.) 要旨は「嚥下障害は高齢化が進む我が国において大きな問題である. 嚥下障害が重度になれば胃瘻による栄養管理が行われるが, 胃瘻の原疾患の過半数は脳卒中であり, 約1/3は認知症である. 脳卒中・認知症共に高齢者に高頻度に起こる疾患であり, 人生の最終章に最期まで口から美味しく食べられるケアのニーズは高い. 誤嚥性肺炎は嚥下障害の代表的な合併症である. 重度の嚥下障害のために胃瘻造設された人たちの半数は約2年で死亡し, 死因の約60%が肺炎であるという事実が示すように胃瘻では誤嚥性肺炎を予防することはできない. 一方, 積極的な経口摂取訓練により肺炎発症が減少することは臨床試験でも確認されている. また, 口腔ケアによる肺炎予防効果が注目を集めているが, 口腔ケアの目的は必ずしも肺炎予防だけではない. 最期まで口から美味しく食べられるケアのためのパス作成に役立つ , 嚥下障害・誤嚥性肺炎・口腔ケアの基礎知識について述べる.」と述べている。 本文で紹介されている「マクロアスピレーション」、「マイクロアスピレーション」については、 「食事時の誤嚥」、「食事以外(主に就寝時)の誤嚥」の意味で使用されている。 本文では、マクロアスピレーションによる、誤嚥性肺炎の発生率は1.0%程度とされている。 このことから、マクロアスピレーションより、マイクロアスピレーション対策が重要であり、口腔ケアは就寝前に徹底して行うことが肝要といえる。 もし可能であれば、夕食後の時間から言語聴覚士や歯科衛生士が介入し対象者に口腔ケアを行うことで、日中に口腔ケアを行うよりも誤嚥性肺炎をより抑制できる可能性があると思われた。