誤嚥性肺炎予防における漢方・代替医療

 Geriatric Medicineに「誤嚥性肺炎予防における漢方・代替医療」(海老原孝枝49(6): 635-638, 2011.)が掲載されている。             
要旨は「漢方薬の半夏厚朴湯は高齢者の嚥下機能を改善し, 高齢者の誤嚥性肺炎を予防する可能性がある. また, 黒コショウの匂い刺激によるアロマセラピーも嚥下反射を改善するので, 高齢者の誤嚥性肺炎を予防する可能性がある. さらに, 温度感受性受容体を刺激することも嚥下反射を改善するので, これらを組み合わせることにより, かなり効率よく高齢者の誤嚥性肺炎を予防する可能性がある.」と述べている。
半夏厚朴湯は嚥下障害関連の成書によく掲載されている薬品であり、嚥下障害に改善があることで知られている。今回の文献中にもプラセボ群との比較研究で肺炎発症率が半分に改善されたことが報告されている。また、誤嚥性肺炎患者に対する禁食中の対応から経口摂食時までのプロトコールが図3に示されている。
それぞれのステージによる改善効果は研究により示されているが、一連の流れによる改善効果について機会があれば実践、アシストしていきたいと思う。

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