食道運動低下と嚥下障害

治療に「GERDは歯科疾患の原因となり得るか? (関根浄治, 92(3) : 481-485, 2010)が掲載されている。
要旨は「胃食道逆流症(GERD)新ガイドラインに, 食道外症候群の一つとしてdental erosion(歯牙酸蝕)が記載された. 現在のところ, GERD全例にdental erosionが合併するという報告は少ない. われわれの調査でもdental erosionや軟組織異常の併発は著明ではなかった. しかし, GERD罹患者では唾液分泌量や嚥下機能低下を伴うことが示唆された. GERD罹患者に対する食道外症状の精査の一つとして口腔診査は必須である. 歯科医師・口腔外科医による口腔乾燥症状の評価と治療, 嚥下リハビリテーション, さらには歯科衛生士による専門的口腔ケアは原疾患の治療と並行して行われることが望ましい. 一方, 舌をはじめとする口腔粘膜の異常からGERDと推定され得る症例もあるため, 口腔を取り扱う歯科医師・口腔外科医への啓発も必要である. 」と述べている。
 嚥下訓練を実施していると咽頭痛を訴えてくる患者がいる。VF・VE所見で、VFからは食道蠕動低下、VEからは披裂ヒダが肥大化していた症例があった。このことから考えると披裂ヒダがGERDによる酸影響を受け咽頭通につながったと考えられた。
 GERD予防のためにも食後すぐ横にならないといった基本的事項を徹底させることが重要と思われた。

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