高齢者の摂食嚥下障害患者との関わり

Geriatric Medicineに「高齢者の摂食嚥下障害患者との関わり」(青山寿昭  54(1): 31-34, 2016.)
が掲載されている。

要旨は「高齢化に伴い, 加齢により嚥下機能が低下した高齢者が原疾患の治療を行うことも増えている. 嚥下障害予備軍だった高齢者が入院や治療をきっかけに嚥下障害になる, もしくは嚥下障害を抱えての入院治療も増加している. 治療の妨げになる窒息や肺炎, 栄養障害を発症する前に嚥下障害を発見して関わることで, 原疾患の治療経過も良好になると考える.」と述べている。

身体的観察ポイントのところで、「口腔(乾燥・汚染・口内炎・歯牙・口臭・義歯の有無と適合・腫脹)」とあり、高齢者では唾液分泌機能低下に伴う口腔乾燥が問題になることが多い。
口腔乾燥を改善するためには、唾液マッサージや口腔内保湿があるが、唾液低下を劇的に改善するものではない。
しかも薬剤により更に唾液分泌が低下する可能性があり、今後高齢者の摂食嚥下障害を考える上で唾液分泌低下についてもより意識する必要があると思われた。


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