歯科からみた認知症の摂食嚥下障害

老年精神医学雑誌に「歯科からみた認知症の摂食嚥下障害 - 食・栄養マネジメントを目的に -」(平野浩彦 27(3): 277-286, 2016.)が掲載されている。

要旨は「高齢期における摂食嚥下障害は, 脳卒中後遺症を中心にその対応法が検討され, ほぼ標準化されたといえよう. 一方, 認知症の摂食嚥下障害への対応の検討は緒に就いたばかりである. 本稿ではアルツハイマー病を中心に, その進行とともに「いつ」「なにが」起こるのかを歯科的な視点で概説し, さらに新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)で示された「認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」における歯科の役割についても紹介した.」と述べている。

2015年に発表された新オレンジプランでは、歯科の役割として
①口腔機能向上を通した認知症予防,
②認知症の早期発見
③認知症の進行に応じた継続的な口腔機能管理
④認知症対応力向上研修の実施
が求められている。

今後は歯科関係者も認知症にとどまらず、高次脳機能障害全般についてもより勉強していくことが求められると考えられる。



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