整理・連携・報告が求められる嚥下障害のリハビリテーション外来診療

The Japanese Journal of Rehabilitation Medicineに「整理・連携・報告が求められる嚥下障害のリハビリテーション外来診療」(藤谷順子 51: 187-190, 2014.)が掲載されている。

要旨は、「リハビリテーション(以下, リハ)外来診療のあるべきすがたを, 嚥下障害のリハ外来を通して論じることになった. 嚥下障害の外来診療には, 入院症例の退院後の継続診療の場合や, 外来で初診する場合がある. 今回はパネルディスカッションのテーマにより近い, リハ科専門医としてコンサルテーションを受けている場合を中心に述べる. 嚥下障害のある症例が在宅生活を送る場合の医師の仕事として, 主治医となる, 薬を処方する, 介護保険主治医意見書を書く, 訪問看護ステーションへの指示を書く, 嚥下機能の評価と検査を行う, 嚥下訓練を提供する(自分の施設の療法士に処方をする), 嚥下訓練以外の訓練(理学療法や作業療法)を提供する(自分の施設の療法士に処方をする), 緊急入院を受ける, などの種類の仕事がある. 」と述べている。

 文中で述べられているが、外来患者、家族が直接訓練を希望していても、本人の能力、社会環境、マンパワーの問題等ですぐに直接訓練を実施できるとは限らない。また、重要なのが主治医との連携である。リハ科が主治医ということは少ないので、主治医の意向を確認する必要がある。
 もし、病院が嚥下外来を開設しているのであれば、関係者の時間の都合のつく時に通院時確認していただければと思うが、すべての病院が嚥下外来を開設しているとは限らない。
 今後も外来の嚥下障害者が増加することが予想されることを考えると自分の関係する地域での嚥下外来設置の有無についてリサーチし連携をとることも重要だと考えられる。
 いろいろな制約があるとは思われるが、以前も述べた通り、嚥下評価、リハビリ専門の診療所の増加が望まれる。

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