加齢と嚥下障害

日本気管食道科学会会報に「加齢と嚥下障害」 (田山二朗65(2): 105-107, 2014.)が掲載されている。
 
要旨は「日本の高齢化率は平成24年には24.1%に達し, 世界一の『超高齢社会』となった. これら高齢者において肺炎は主要な死因の一つであり, このなかに嚥下性肺炎がかなり含まれていると推定されている. 嚥下障害により生ずる身体的問題は, 「栄養障害」と「嚥下性肺炎」に集約されるが, 栄養障害に関しては, 胃瘻等の代替栄養法の発達によりある程度の対応が可能となってきた. 一方, 嚥下性肺炎の問題に関しては未だ未解決な状況にあると言っても過言ではない. また, 嚥下障害に対する対応は, 社会構造や医療・福祉制度とも密接な関係があり, 単に疾患を治療することだけでは済まない状況となってきている.」と述べている。
 
本文中に高齢者は「診断から対応に至るまでの過程において、生活環境そのものが障壁となる」とあるが、その通りだと思う。独居なのか、外出の機会はあるか、金銭的余裕があるか等置かれた環境により高齢者のADLは変化する。
高齢者の嚥下性肺炎予防には、日常生活の中での予防が重要であり、それは口腔内細菌を減少させることで嚥下性肺炎を予防できる口腔ケアと食事自体が直接訓練と考えると食事回数の増加と思われる。可能な限りこの2点を日常生活の中で増加、維持させることが大切と思われた。
 

コメント

このブログの人気の投稿

国家試験問題からの嚥下復習

口腔アセスメント(ROAG)について

大脳基底核と運動の関わり