平成26年度診療報酬改定と言語聴覚士の役割

平成26年度診療報酬改定を観て、摂食嚥下リハに関連している箇所を1部ピックアップしてみた。

以下は「リハ医の独白」からの引用である。


摂食機能療法→ (新) 経口摂取回復促進加算 185 点
[算定要件]
1 鼻腔栄養又は胃瘻の状態の患者に対して、月に1回以上嚥下造影または内視鏡下嚥下機能評価検査を実施した結果に基づいて、カンファレンス等を行い、その結果に基づいて摂食機能療法を実施した場合に、摂食機能療法に加算する。
2 治療開始日から起算して6月以内に限り加算する。
3 実施した嚥下造影または内視鏡下嚥下機能評価検査の費用は所定点数に含まれる。

[施設基準]
1 新規の胃瘻造設患者と他の保険医療機関から受け入れた胃瘻造設患者が合わせて年間2名以上いること。
2 経口摂取以外の栄養方法を使用している患者であって、以下のア又はイに該当する患者(転院又は退院した患者を含む。)の合計数の 35%以上について、1年以内に経口摂取のみの栄養方法に回復させていること。
ア) 新規に受け入れた患者で、鼻腔栄養又は胃瘻を使用している者
イ) 当該保険医療機関で新たに鼻腔栄養又は胃瘻を導入した患者
3 摂食機能療法に専従の言語聴覚士が1名以上配置されていること。
4 2の基準について、新規に届出を行う場合は、届出前の3月分の実績をもって施設基準の適合性を判断する。

以上が引用内容であり、これと併せて、摂食機能療法の経口摂取回復促進加算要件である専従言語聴覚士は、疾患別リハビリテーション算定も可能とあった。

 摂食機能療法が185点なので、新加算と合計すると370点になり脳血管Ⅰ245点と比べても多いことが分かる。しかし、担当患者の35%以上を1年以内に経口摂取できる保証はどこにもなく、専従の言語聴覚士配属の観点から、言語聴覚士の責任問題に発展する可能性も出てくる。
 できるだけ、経口摂取で在宅復帰させたいという思いは皆同じであるが、まず自分の勤務している病院の施設基準4をよく確認した上で3か月と言わず、一年以上のデータをよく吟味してから、実施するのが重要と思われた。



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