誤嚥性肺炎の予防対策

難病と在宅ケアに「誤嚥性肺炎の予防対策」(大類孝 18: 37-41, 2012.)が掲載されている。

要旨は「肺炎は抗菌薬の開発が目覚ましい現在でも, 日本での疾患別死亡の第4位を占めています. また, 2009年度の人口動態統計によれば, 肺炎による死亡者の中で65歳以上の高齢者が占める割合は96%と極めて高いのです. 高齢者の肺炎は, 近年, 難治例が増加しつつあると言われています. 本稿では初めに, 高齢者肺炎の大半を占める誤嚥性肺炎についてその発症の要因を解説し, 次に予防策として嚥下反射や咳反射を改善させる薬物や食品および口腔ケアが有効である事について述べ, 最後に高齢者肺炎予防のためのワクチンの有用性について解説します.
「高齢者の肺炎の成因」高齢者の肺炎は近年複雑化し, 難治例が増加しつつあると言われています. その背景には, 超高齢社会を迎えさまざまな基礎疾患を抱えた易感染状態の患者様が増加している点や, 加齢に伴う免疫能の低下のために弱毒性の病原微生物によっても肺炎を発症し得る点, また, 抗菌薬に耐性を有する細菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やペニシリン耐性肺炎球菌など)の出現が挙げられます. 」と述べている。

文中で述べられている嚥下性肺炎予防法について、
カプサイシン、ACE阻害薬、塩酸アマンタジン等について述べているが、興味深い内容として、葉酸欠乏が嚥下障害を引き起こすため葉酸の補充を挙げている。
まだ、文献検索していないが、嚥下性肺炎患者の葉酸値や実際にどの程度の葉酸補充により嚥下機能の改善がみられたか興味がある。
投薬はセラピストには難しいが、葉酸であればゼリー等直接訓練の範囲内で実施できる可能性がある。今後のリサーチに期待したい。

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