胸部大動脈手術は嚥下障害リスクを高める
心臓リハビリテーションに「なぜ開心術後に嚥下障害は起こりやすいのか?―嚥下障害の要因分析とその改善度の検討―」(玉田雅美, 小林平, 後藤優佳, 他, 18: 79-82, 2013.)が掲載されている。
要旨は「開心術後の嚥下障害発症要因と, 言語聴覚士(以下, ST)介入前後で嚥下障害の改善について検討した. 【対象】2009年4月~2011年1月, 開心術施行した105例. 平均年齢71.5±10.7歳, 男性66例, 緊急手術31例(30%). 【方法】藤島グレード(以下, Gr)において8以下の嚥下障害を認めた者を嚥下障害あり群, その他を嚥下障害なし群とし, 比較検討を行った. また嚥下障害あり群の初回評価時と訓練終了時のGrについて比較検討を行った. 【結果】嚥下障害あり群は20例(19%). 手術時間・挿管時間・ICU滞在日数が嚥下障害あり群で有意に長く, 脳血管疾患既往・胸部大動脈手術が嚥下障害あり群で有意に多かった. 嚥下障害あり群の初回評価時のGrは中央値4, 訓練終了後中央値10で有意に改善していた(p<0.0001). 【考察】開心術後の嚥下障害のリスク因子と改善度について検討した. 長期挿管などの影響で術後一時的に嚥下障害を呈することがあるが, 術直後よりSTが介入し, 嚥下訓練を進めていくことで, 安全に経口摂取を進めることができ, 合併症予防につながった. 」と述べている。
本文中では、開心術者を嚥下障害有無で2群間に分けて分析している。それによれば、2群間で特に顕著に有意差があったのは「胸部大動脈手術」と「挿管時間」であった。
手術時間が長引くほど、挿管時間が延長し結果として廃用による嚥下機能低下をもたらすことが予想できる。また、挿管による影響等で気息性嗄声を呈し、誤嚥につながる例も以前みられた。
以前も述べたが、心臓手術終了後の嚥下障害者は経口摂取が可能レベルにあっても、意欲の低下により経口摂取が進まない場合がある。そのため、経管栄養が長期化してしまい嚥下障害になる例もある。
そのため、適切な時期に適切な食事を検討するといったマネジメント能力が心臓疾患患者の摂食・嚥下リハビリに必要だと思われた。
要旨は「開心術後の嚥下障害発症要因と, 言語聴覚士(以下, ST)介入前後で嚥下障害の改善について検討した. 【対象】2009年4月~2011年1月, 開心術施行した105例. 平均年齢71.5±10.7歳, 男性66例, 緊急手術31例(30%). 【方法】藤島グレード(以下, Gr)において8以下の嚥下障害を認めた者を嚥下障害あり群, その他を嚥下障害なし群とし, 比較検討を行った. また嚥下障害あり群の初回評価時と訓練終了時のGrについて比較検討を行った. 【結果】嚥下障害あり群は20例(19%). 手術時間・挿管時間・ICU滞在日数が嚥下障害あり群で有意に長く, 脳血管疾患既往・胸部大動脈手術が嚥下障害あり群で有意に多かった. 嚥下障害あり群の初回評価時のGrは中央値4, 訓練終了後中央値10で有意に改善していた(p<0.0001). 【考察】開心術後の嚥下障害のリスク因子と改善度について検討した. 長期挿管などの影響で術後一時的に嚥下障害を呈することがあるが, 術直後よりSTが介入し, 嚥下訓練を進めていくことで, 安全に経口摂取を進めることができ, 合併症予防につながった. 」と述べている。
本文中では、開心術者を嚥下障害有無で2群間に分けて分析している。それによれば、2群間で特に顕著に有意差があったのは「胸部大動脈手術」と「挿管時間」であった。
手術時間が長引くほど、挿管時間が延長し結果として廃用による嚥下機能低下をもたらすことが予想できる。また、挿管による影響等で気息性嗄声を呈し、誤嚥につながる例も以前みられた。
以前も述べたが、心臓手術終了後の嚥下障害者は経口摂取が可能レベルにあっても、意欲の低下により経口摂取が進まない場合がある。そのため、経管栄養が長期化してしまい嚥下障害になる例もある。
そのため、適切な時期に適切な食事を検討するといったマネジメント能力が心臓疾患患者の摂食・嚥下リハビリに必要だと思われた。
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