言語聴覚士解剖学考察

日大口腔科学に「上顎骨ペーパー・クラフトと形態の理解」(佐竹隆, 今井重孝37: 43-47, 2011. )が掲載されている。
要旨は「上顎骨の形態を理解するための上顎骨ペーパー・クラフトを考案した. ペーパー・クラフトには上顎骨の八つの形質(上顎体(corpus maxillae), 上顎洞(sinus maxillaries), 口蓋突起(processus palatinus), 歯槽突起(processus alveolaris), 前頭突起(processus frontalis), 頬骨突起(processus zygomaticus), 歯槽孔(foramina alveolaria), 上顎洞裂孔(hiatus maxillaries))があり, 身近に立体構造が確認できる. ペーパー・クラフトの有用性と形態を三次元的に理解することについて考えた.
医療系の学生はヒトの身体を理解する(分かる)必要がある. そのための基礎を作る教科が人体解剖学の講義と実習である. 学生は人体解剖学の講義を受け, 実習で身体をつぶさに観察し, その形態や構造を理解する.  」と述べている。
私も現在、解剖学実習が始まり感じるとは、「実習」(自分で実施する)と「見学」は大きく違うことである。表層にある神経から一つずつ確認し剖出することで理解の定着につながると感じた。
現在、コ・メディカルでも自分で剖出可能な養成校が増えていると他の文献に掲載されていた。言語聴覚士の業務領域は頭蓋、喉咽頭であり、解剖見学(実習)を実施させていただいても、脳や喉咽頭付近に限られる可能性がある。しかし、現在、言語聴覚士業務における摂食・嚥下リハの割合は高齢化に伴い増加すると思われ、可能であれば言語聴覚士も、喉咽頭の形態のみならず、近隣の大学と提携し顔面領域の神経、血管、筋肉について解剖見学(実習)し理解を深めることが重要と考えられた。
今回の論文はペーパークラフトがあり、ダウンロードして作成することで理解向上に役立つと思われた。

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