嚥下障害への対応
日本耳鼻咽喉科学会会報に「嚥下障害への対応」(梅崎俊郎 115(1): 42-45, 2012. )が掲載されている。
要旨は「近年, 嚥下障害はわが国の超高齢化とともに実に多くの診療科が関わるようになり, まさに学際的アプローチを要する疾患の1つと認識されてきた. 耳鼻咽喉科医をはじめとする医科のみならず, 本来口腔ケアや咀嚼・咬合障害を分担すべき歯科医までが参入し, 施設ごとにその役割分担は異なり, 若干の混乱が生じていることも否めない. しかしながら, 嚥下に関わる主な臓器は口腔・咽頭・喉頭・食道であり, 喉頭の気道防御機構を含め嚥下障害はわれわれ耳鼻咽喉科の固有領域の1つであるという事実を再確認し, この病態に対応することが必要である. また, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科は嚥下障害の手術治療が可能な唯一の診療科でもある. 」と述べている。
実際、嚥下障害に関心の高い耳鼻科医がいると、VFやVEを耳鼻科で実施するところが多い。そのため、摂食嚥下リハを進める上では耳鼻科との連携は重要と言える。また、文中で興味深い内容として「気道分離術」について述べており、「顕性誤嚥も不顕性誤嚥も完全に防止する術式であるが,必ずしも経口摂取を約束するものではない」と述べている。誤嚥防止=経口摂食可能ではないことに注目する必要がある。気道分離術の説明を受けた家族は、実施すれば誤嚥が無くなる=経口摂食可能と思いこむ可能性が考えられる。しかし、別物であると説明し理解していただくことが重要であり、示唆に富む一文と思われた。
要旨は「近年, 嚥下障害はわが国の超高齢化とともに実に多くの診療科が関わるようになり, まさに学際的アプローチを要する疾患の1つと認識されてきた. 耳鼻咽喉科医をはじめとする医科のみならず, 本来口腔ケアや咀嚼・咬合障害を分担すべき歯科医までが参入し, 施設ごとにその役割分担は異なり, 若干の混乱が生じていることも否めない. しかしながら, 嚥下に関わる主な臓器は口腔・咽頭・喉頭・食道であり, 喉頭の気道防御機構を含め嚥下障害はわれわれ耳鼻咽喉科の固有領域の1つであるという事実を再確認し, この病態に対応することが必要である. また, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科は嚥下障害の手術治療が可能な唯一の診療科でもある. 」と述べている。
実際、嚥下障害に関心の高い耳鼻科医がいると、VFやVEを耳鼻科で実施するところが多い。そのため、摂食嚥下リハを進める上では耳鼻科との連携は重要と言える。また、文中で興味深い内容として「気道分離術」について述べており、「顕性誤嚥も不顕性誤嚥も完全に防止する術式であるが,必ずしも経口摂取を約束するものではない」と述べている。誤嚥防止=経口摂食可能ではないことに注目する必要がある。気道分離術の説明を受けた家族は、実施すれば誤嚥が無くなる=経口摂食可能と思いこむ可能性が考えられる。しかし、別物であると説明し理解していただくことが重要であり、示唆に富む一文と思われた。
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