東京都在宅緩和ケア支援センター講演会に参加して

昨日、「東京都在宅緩和ケア支援センター講演会」に参加した。第一部講演は「市谷のマザー・テレサ」こと秋山正子先生の講演であった。私は秋山先生の御高名は存じていたが、実際に講演を聞くのは初めてであり、講演会でがん患者が地域で生活するための連携等を聞けて大変参考になった。今回その秋山先生の執筆文紹介である。
 JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATIONに「がん患者の在宅でのQOL向上 ―リハを生活の場で実現するために」(秋山正子18(10): 905-910, 2009. )が掲載されている。
 要旨は「 昨年の夏, ホスピスケアの先駆者であるシシリー・ソンダースが開いたセントクリストファーホスピスをはじめ, ロンドン, ヨークとイギリスのホスピス緩和ケアの研修に参加する機会を得た. その折に見聞したなかで驚いたことは, ホスピスのデイサービス部門にリハビリテーション(以下リハ)プログラムが充実しており, 実際にマシンを使ってトレーニングをしているがん患者に出会ったり, リハスタッフが骨に転移して歩きづらい患者に, どのように身体を動かしたら負担なく動作が可能であるかなどとアドバイスしていることであった. また, がん患者, 特に就労している比較的若い患者が利用しやすいように夕方からのプログラムや早朝からのプログラムも考えられていた. そのほか, 就労を続けやすくするための社会サービスの上手な使いかたや, さまざまな援助システムの情報やアドバイスなどを受けられるように, ケースワーカーや臨床心理士の配置もなされていた.」 と述べている。
 読んでみると、3年前よりがんとリハビリテーションの関わりについて触れているにも関わらず、今頃関心を持つようになった自分の勉強不足を痛感する次第である。今回の講演会では患者さん、訪問看護、在宅医、緩和ケア病棟との連携を述べられていたが、そこにリハビリテーション職種はどのように関わっていったのか興味があった。文中ではリハ職種に期待される役割として、「がん患者に対する症状コントロールの手段である疼痛コントロールや呼吸苦に対しての体の動かしかたやリラクゼーション,呼吸リハの手法を用いたスクイージング,各部位のリンパドレナージの手法」と述べている。私は摂食・嚥下リハビリテーションからのアプローチになると思われるが、少しでもがん患者の身体的、精神的緩和に貢献していきたいと考える。                

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