誤嚥性肺炎後の摂食機能療法

 JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATIONに「誤嚥性肺炎後の摂食機能療法」(寺本信嗣20(2): 121-126, 2011. )が掲載されている。
内容は 「Q1 誤嚥性肺炎の基礎疾患とはどんなものがあるか?」 誤嚥を生ずる脳梗塞等の中枢神経疾患や筋疾患と, 肺内の感染防御機構が低下している呼吸器疾患が重要になる.
 「Q2 誤嚥性肺炎の実態とは?」 嚥下障害患者において口腔・咽頭の細菌を微量誤嚥して肺に感染症(肺炎)を生ずるものである.
 「Q3 誤嚥性肺炎の摂食機能療法とは?」 口腔ケアにより口腔内細菌量を減少させたうえで, 嚥下の間接訓練と直接訓練を行う.
 「Q4 誤嚥性肺炎の摂食機能療法の評価のポイントは?」 摂食機能療法の評価は, 実践があって意義を有する. 患者の可能な内容を把握しながら嚥下訓練を先に進める.
「Q5 摂食開始の基準は?」 機能評価を行いながら, 水分から始めてステップアップする. 水飲み試験, 簡易嚥下誘発試験が開始の目安として役立つ.
「Q6 肺理学療法の意義は?」 肺理学療法は, 肺固有の感染防御能を高め, 肺機能を向上し, 肺炎の予防に寄与する.」と述べられている。
繰り返し述べられているが、一度の誤嚥がすぐ、誤嚥性肺炎につながる訳でなく、自然免疫能の有無により発生が変化する。ということは、肺内の防御機能を高めるアプローチも必要になると考えられる。アプローチする側として、医師による薬剤を使用した肺炎改善とともに、歯科医療関係者による口腔ケアを中心とした、micro aspiration予防に努めることが重要と思われた。                  

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