赤ワインポリフェノールによる嚥下反射改善効果

The Japanese Journal of Rehabilitation Medicineに赤ワインポリフェノールによる嚥下反射改善効果」(海老原 覚,長坂  誠,森  信芳,伊藤  修,坂田 佳子,鈴木 文歌,上月 正博48:5230-5230, 2011.)が掲載されている。海老原先生はカプサイシンやメンソールといった非薬品を使用した嚥下障害改善例を多数発表されており、大変著名な先生である。
要旨は「【目的】高齢者の嚥下障害の多くは嚥下反射の低下を伴うことが多く,これを改善することが嚥下障害の治療上重要となる.赤ワインのポリフェノールは様々な健康に対してよい作用を持つことが知られている.そこで赤ワインの嚥下反射に対する作用を調べてみた.【方法】アルコールをとばした赤ワイン,アルコールをとばした白ワイン,葡萄ジュース,蒸留水にて,高齢者において嚥下反射を測定した.さらに様々な濃度に赤ワインポリフェノールを蒸留水に溶かして嚥下反射を測定した.【成績】アルコールをとばした赤ワインは,蒸留水に比べて有意に嚥下反射の潜時を改善した.アルコールをとばした白ワイン,葡萄ジュースにはそのような作用がみられなかった.また,赤ワインポリフェノールは用量依存性に嚥下反射の潜時を改善した.【結論】赤ワインポリフェノールに高齢者の遅延した嚥下反射を改善する作用があることが判明した.」と述べている。
赤ワインによるポリフェノールを使用した文献であり、嚥下反射改善するとのことである。考えとしては、健常時からワインを飲み、嚥下反射を維持するか、ポリフェノールを使用し訓練場面で活用するかである。一つの考えであるが、これまで海老原先生が発表されてきた素材を使用し「嚥下改善食」を作り「味」と「嚥下機能」の改善を図るのもよいのではと思われた。

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