今年もよろしくお願いします!Geriatric Medicineに「
グレリンによるサルコペニアへの介入」(米川忠人, 越中敬一, 中里雅光49(3): 331-334, 2011. )が掲載されている。
要旨は「本邦はまもなく人口の4人に1人が65歳以上という超高齢化社会に突入することから, 抗加齢対策の研究が多くの基礎と臨床の施設で進行している. 骨折は高齢者寝たきりの大きな誘因で, 骨粗鬆症は易骨折性の原因であるが, 骨格を保持する筋肉量の低下も転倒骨折の一因である. しかも, 骨格筋の萎縮は廃用性, 除神経, 悪液質(癌や慢性感染症など), 栄養失調でも顕著に認められる. グレリンは摂食亢進に加えて成長ホルモン(GH), インスリン様成長因子-I(IGF-I)を介する筋肉量の増大や抗炎症作用などの多くの生理作用を有し, サルコペニアによる筋肉量および筋力の低下に対しても有効な薬剤となる可能性がある.」と述べている。
文中では、グレリンが直接骨格筋に影響与えるかは不明で、どちらかと言えば「摂食量増加による栄養状態改善による作用とGH/IGF-1増加による間接作用が主体となる.」と述べている。
実際、摂食・嚥下リハビリテーションで介入していると、一定期間経過後嚥下機能に問題がなくても摂食が進まず低栄養になる方をみかけることがある。身近なところでグレリンを投与して摂食量が増えたという報告は聞かないが、今後文献検索し影響や効果を確認していきたい。
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