摂食・嚥下リハビリテーションと発熱

JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATIONに「摂食・嚥下リハビリテーションにおける発熱とその対応」(重松孝, 藤島一郎, 片桐伯真, 大野友久, 北条京子, 前田広士 19(11): 1099-1103, 2010.)が掲載されている。要旨は「摂食・嚥下リハビリテーション(以下嚥下リハ)では発熱がしばしば問題となり, 嚥下リハのゴールを左右する阻害因子となることもある. 介入中に発熱を認めた場合には, その原因検索とともにリハビリテーション(以下リハ)への影響を考慮したうえでの訓練内容の検討が必要となる. 嚥下障害は, 食塊運搬機能のみならず, 喉頭内異物排除機能を有し, 気道防御をするため, 嚥下障害により呼吸器感染症をきたす. しかし, 重症の嚥下障害のみが呼吸器感染症を繰り返すとは限らない. 実際には嚥下障害患者は誤嚥以外にも意識障害や低栄養や脱水等のさまざまな問題を有し, 一般的に全身状態不良例が多く, 呼吸器感染症以外にも発熱原因は多岐にわたる. 嚥下リハ介入時にしっかり嚥下機能評価を行ったにもかかわらず, 摂食訓練介入中に発熱をきたし訓練中止や摂食訓練を断念する症例に多く遭遇する. 」と述べられている。
嚥下リハビリテーション中に発熱すると、多くは誤嚥によるものと考えられ、禁食対応になることが多い。しかし、禁食中したにも関わらず、発熱を認めることも多い。そのため、嚥下リハ中はSAを常に疑い、唾液誤嚥の影響を減少させる必要がある。そのためにまず第一選択として口腔ケアと姿勢調整が挙げられると考える。私自身、非リハビリ時の環境設定が大事と考え周囲と協力することでSA予防に努めてきた。周囲の協力を得るためには、SAに対する理解が重要であり、これからも自己学習、周囲への啓発を行っていきたい。

コメント

このブログの人気の投稿

気管挿管後の反回神経麻痺

国家試験問題からの嚥下復習

大脳基底核と運動の関わり