rehabilitation of trismus(開口障害のリハビリテーション)

リハビリテーション医学に「顎運動の障害がみられた脳卒中患者3例の検討」( 植松宏, 江面陽子, 道免和久, 里宇明元, 33(11) : 875-876, 1996)が掲載されている。
 要旨は「顎運動に障害がみられた脳卒中患者3例の治療を行ったので, 検討を加えて報告した。
症例:52歳の女性で1年前にくも膜下出血で開頭手術と気管切開を受けていた. 四肢麻痺, 右顔面麻痺, 嚥下障害が残ったが, 理解力は良好であった. 開口障害がみられ, 歯科を受診した. 初診時の開口度は切歯間距離がわずか9 mmであった. そこで, 開口訓練を行ったところ約4カ月間で34 mmまで開口が可能になった.
 【まとめ】脳卒中患者では原疾患や重篤な合併症の治療に追われ, 顎関節の脱臼や強直などの異常に目が届かないことがある. しかし, 顎関節の病変は放置される期間が長期に及ぶと, 後の処置に難渋する. 下顎の運動は摂食に重要である. スクリーニングを心がけたい.」と述べている。
 臨床現場で経験する開口障害は、咬反射による開口障害が多いが、三叉神経損傷による開口障害も報告のように経験することもある。特に後者へのアプローチとして、他動運動、抵抗運動が考えられるが、報告してある症例は少ない。
 三叉神経損傷による開口障害への摂食・嚥下リハビリテーション報告例をもっと検索しリハビリテーションに活用していきたい。

コメント

このブログの人気の投稿

気管挿管後の反回神経麻痺

国家試験問題からの嚥下復習

大脳基底核と運動の関わり