自殺企図患者の嚥下障害
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌に「熱傷患者の嚥下障害への取り組み」(河崎寛孝, 坪川操7(2) : 215, 2003)が掲載されている。
要旨は「重度の熱傷患者では嚥下性肺炎を併発することがある。
【対象と方法】2001年1月より2003年1月までの2年間に, 当科で摂食, 嚥下障害の診断治療を行った熱傷患者7例. 男性2例, 女性5例. 年齢は23歳から82歳(平均61歳). 熱傷範囲は8%から56%(平均37.0%)受傷部位は, 顔面4例, 気道2例. 受傷原因は3例が自殺企図で, 合併症は, 統合失調症2例, 鬱病1例, 多発性脳梗塞2例であった.
【結果】6例の症例に嚥下内視鏡検査を合計のべ20回, 嚥下造影検査を15回施行した. 嚥下機能の障害は, 喉頭挙上の障害3例, 鼻咽腔閉鎖不全2例, 口唇閉鎖不全2例で, 5例に梨状窩の残留, 不顕性の喉頭侵入を認めた. 退院時4例が米飯普通食の摂取が可能となったが, 2例は経管栄養のまま転院した. 【考察】不顕性の下咽頭の残留と喉頭侵入が多いことは, 嚥下機能検査を反復施行して嚥下訓練を行うことで合併症を予防できる可能性がある. 」と述べられている。
自殺企図患者の行動内容によっても嚥下障害は変化してくる。今回取り上げたのは熱傷患者であるが、喉頭挙上制限だけでなく、梨状窩の残留も出現している。脳梗塞の可能性も否定できないが、自殺企図患者の嚥下機能は外面のみの評価でなく、外傷と同時に薬物による咽頭・喉頭損傷可能性を考慮し、可能であればVF・VEを実施した方がよいと教えられた内容と言える。
要旨は「重度の熱傷患者では嚥下性肺炎を併発することがある。
【対象と方法】2001年1月より2003年1月までの2年間に, 当科で摂食, 嚥下障害の診断治療を行った熱傷患者7例. 男性2例, 女性5例. 年齢は23歳から82歳(平均61歳). 熱傷範囲は8%から56%(平均37.0%)受傷部位は, 顔面4例, 気道2例. 受傷原因は3例が自殺企図で, 合併症は, 統合失調症2例, 鬱病1例, 多発性脳梗塞2例であった.
【結果】6例の症例に嚥下内視鏡検査を合計のべ20回, 嚥下造影検査を15回施行した. 嚥下機能の障害は, 喉頭挙上の障害3例, 鼻咽腔閉鎖不全2例, 口唇閉鎖不全2例で, 5例に梨状窩の残留, 不顕性の喉頭侵入を認めた. 退院時4例が米飯普通食の摂取が可能となったが, 2例は経管栄養のまま転院した. 【考察】不顕性の下咽頭の残留と喉頭侵入が多いことは, 嚥下機能検査を反復施行して嚥下訓練を行うことで合併症を予防できる可能性がある. 」と述べられている。
自殺企図患者の行動内容によっても嚥下障害は変化してくる。今回取り上げたのは熱傷患者であるが、喉頭挙上制限だけでなく、梨状窩の残留も出現している。脳梗塞の可能性も否定できないが、自殺企図患者の嚥下機能は外面のみの評価でなく、外傷と同時に薬物による咽頭・喉頭損傷可能性を考慮し、可能であればVF・VEを実施した方がよいと教えられた内容と言える。
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