Obesity Paradox

臨床栄養に「COPD ―肥満とやせが問題となる呼吸器疾患」 (森井恵子, 木田厚瑞, 114(3) : 242-247, 2009)が掲載されている。
内容は「重症COPDではやせているのに動脈硬化病変が多い.このようにCOPDにおける肥満はたんなるメタボリック症候群とはいえないことから,最近ではobesity paradoxといわれている.
 BMIが大きくなるほどCOPDでは息切れが増強する.肥満者では胸壁や腹腔に沈着した脂肪のために,総肺気量や機能的残気量などの肺機能指標の低下が見られる.しかし高度の肥満者を除きこれにより拘束性換気障害をきたすことは少ない.一方,やせた重症者に対する栄養療法は科学的評価に耐えうるエビデンスとはなっていない.今後の検討が待たれている.」と述べている。
臨床の場でみるCOPD患者は痩せた患者が多い。しかも常食を摂食しているにも関わらずAlbが2点台以下を示す例も多い。
 実際薬剤(栄養)投与をするのは医師であるが、現場で接しているセラピストに意見を求められる場面も存在する。COPD患者に限らず、自分の実施しているリハビリテーションが、栄養的にみて過負荷になっていないかよく観察する必要があると考える。

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