脳卒中患者の呼吸機能

秋田理学療法に「脳卒中患者の呼吸機能について」 (田安義昌, 成田研, 小貫渉, 高橋仁美, 塩谷隆信, 15(1) : 31-33, 2007)が掲載されている。
 要旨は「脳卒中患者のリハビリテーションにおいて, ある程度の身体機能にも関わらず, 耐久性の伸び悩みに加え, 肺炎といった二次的合併症を経験することもあり, 身体状況を把握する上で, 呼吸機能の検討の必要性を感じた. 今回, 当院に入院・通院中の脳卒中患者10名に対して呼吸機能検査を実施し, %肺活量(以下%VC), 一秒率(以下FEV1.0%), ピークフロー(以下PF)について検討した. 結果, 全体では%VCは平均75.4±15.4%, FEV1.0%は平均82.4±11.7%, PFは4.69±2.4L/secで拘束性換気障害の値を示していた. また年齢, 上下肢Brunnstrom stage(以下Br.stage), 嚥下障害の有無, 移動手段の自立度で検査結果を比較したところ, 高年齢, Br.stageの低さ, 嚥下障害あり, 移動手段の自立度の低さの項目で, %VC, PFが低値である傾向がみられた. 脳卒中患者において, 年齢, Br.stage, 嚥下障害, 移動手段の自立度が呼吸機能に影響を及ぼす可能性が示唆された」と
述べている。
以前呼気筋強化のため、スレッショルドPEPを紹介したが、金額的にはやや割高感がある。しかし、ピークフローは安いのだと2000円前後で購入できるものもある。呼気を計測しながら、嚥下リハビリテーションを実践する報告がもっと望まれるし、自分も実践できる下地を考えていきたい。

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