IC法と嚥下リハビリテーション

 Geriatric Medicineに「非経口栄養のマネジメント」(瀬田拓, 佐藤舞,48(12) : 1669-1673, 2010)が
掲載されている。
 内容として、「誤嚥性肺炎の治療は,①炎症の鎮静化,②炎症の原因除去,③組織の修復,④機能(呼吸,気道防御,嚥下)の修復を図ることにより進められるが,栄養療法が果たす役割は大きい.また,肺炎の改善と同時に経口摂取の再開が検討されるが,すぐに再開することが困難と判断された場合には,非経口栄養法による栄養管理が必要となる.」から述べられている。
 他に「誤嚥性肺炎急性期の非経口栄養管理」と「嚥下リ八中の短期的な非経口栄養管理」について述べられており、特に後者は「1週間程度で十分量の経口摂取が可能になると推測されるなら,PPNの継続でよいと考える」から「最近は,PPNでもある程度の栄養が投与できる製剤が開発されたので,PPNの選択がしやすくなった」と展開している.
 この後も、「しかし,嚥下リハに1カ月程度の期間が必要と見込まれる場合は,十分な栄養投与ができる経路が必須である」とあり、「NGチューブを留置するのであれば,できるだけ細い(8Fr以下)チューブを選ぶと,嚥下への影響は少ないといわれている.また,IC法は有効で,チューブフリーの状態で嚥下訓練が可能であるだけでなく,様々な効果が期待されている」と述べている。
 IC法については賛否両論あることを筆者らも述べているが、私もN-Gチューブをしながら歩行訓練する場面をみると、せめて訓練中は抜管できればと思う。今後のIC法適応について考えさせられた。

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