摂食嚥下リハビリテーションと舌診
医道の日本に「舌診で何がわかるの? 」(丸山彰貞, 68(1) : 226-231, 2009)が掲載されている。
舌診については以前触れたが、この文献では舌面から読み取れる5つのことを列記している。
Ⅰ臓腋気血の盛衰をみるⅡ法高の深浅を弁別するⅢ病邪の性質を区別するⅣ病勢の進退を予測するⅤ疾病の予後を判断する。である。
また、筆者は「初学者は、まず舌苔を先に見るとわかりやすいでしょう。苔の有無、厚薄、色沢、湿潤、腐賦などの状況を観察します。舌の先端から開始し、舌の中部、根部へと進めます。次に舌質の観察をします。筋肉の色沢、形状、動きなどをみていきます。舌尖より舌の両側に沿って舌根に至るように、もし舌苔が厚くないときは、苔の下の色沢と形態をあわせて観察していきます。」と述べている。
具体的事例として、「患者は20歳で、小児糖尿病の疾患を持っていました。飲食ごとに血糖値を自ら測定し、医師の許可のもとにインシュリンを注射して自己管理をしていました。最近、残念ながら亡くなられました。糖尿病の舌象は体調によって異なりますが、一般的に舌質紅、苔薄白で干、後期は苔黄にして干あるいは焦黄、あるいは舌質紅にして無苔です。この写真の患者は、前期の症状で舌質紅、苔薄白ですが、やや黄色みをおびて干の状態を示しています。さらに歯根、舌中央に列紋も見られます。虚熱の症状と脾気の機能の低下、胃の機能の低下、心肝の火がやや旺盛な状態が認められます。この当時身体に大きくストレスがかかっていたことがうかがえます。」
と述べている。今回の事例は糖尿病であるが、糖尿病に限らず摂食・嚥下障害を呈している患者は舌苔付着例が多い。今回の文献から摂食嚥下リハビリテーションを進める際、観察所見で舌苔の有無だけでなく、色、厚さを観察し日々の体調の変化を捉えることで摂食嚥下リハビリテーションへの参考になると考えられた。
舌診については以前触れたが、この文献では舌面から読み取れる5つのことを列記している。
Ⅰ臓腋気血の盛衰をみるⅡ法高の深浅を弁別するⅢ病邪の性質を区別するⅣ病勢の進退を予測するⅤ疾病の予後を判断する。である。
また、筆者は「初学者は、まず舌苔を先に見るとわかりやすいでしょう。苔の有無、厚薄、色沢、湿潤、腐賦などの状況を観察します。舌の先端から開始し、舌の中部、根部へと進めます。次に舌質の観察をします。筋肉の色沢、形状、動きなどをみていきます。舌尖より舌の両側に沿って舌根に至るように、もし舌苔が厚くないときは、苔の下の色沢と形態をあわせて観察していきます。」と述べている。
具体的事例として、「患者は20歳で、小児糖尿病の疾患を持っていました。飲食ごとに血糖値を自ら測定し、医師の許可のもとにインシュリンを注射して自己管理をしていました。最近、残念ながら亡くなられました。糖尿病の舌象は体調によって異なりますが、一般的に舌質紅、苔薄白で干、後期は苔黄にして干あるいは焦黄、あるいは舌質紅にして無苔です。この写真の患者は、前期の症状で舌質紅、苔薄白ですが、やや黄色みをおびて干の状態を示しています。さらに歯根、舌中央に列紋も見られます。虚熱の症状と脾気の機能の低下、胃の機能の低下、心肝の火がやや旺盛な状態が認められます。この当時身体に大きくストレスがかかっていたことがうかがえます。」
と述べている。今回の事例は糖尿病であるが、糖尿病に限らず摂食・嚥下障害を呈している患者は舌苔付着例が多い。今回の文献から摂食嚥下リハビリテーションを進める際、観察所見で舌苔の有無だけでなく、色、厚さを観察し日々の体調の変化を捉えることで摂食嚥下リハビリテーションへの参考になると考えられた。
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