呼気筋トレーニングと摂食・嚥下リハビリテーション

理学療法科学に「吹矢を用いたトレーニングが呼吸機能に及ぼす影響 ―呼気筋トレーニングとの比較― 」(永崎孝之, 岡田裕隆, 甲斐悟, 高橋精一郎, 25(6) : 867-871, 2010)が掲載されている。
要旨は「吹矢トレーニングが呼吸機能に及ぼす影響を呼気筋トレーニングと比較して,検討することである。〔対象〕健常者19名。〔方法〕無作為に吹矢群10名と、呼気筋トレーニング群(呼気筋群)9名の2群に分け,吹矢群には吹矢トレーニング,呼気筋群にはスレショルドPEPを用いた呼気抵抗:負荷トレーニングを実施し,呼吸機能の肺活量,努力性肺活量,一秒量,一秒率,呼気最大流速(PEF),呼気最大口.腔内圧(PEmax),吸気最大口腔内圧を測定し,各群内および壁間で比較した〔結果〕吹矢群はPEF,PEmaxの数値が増加し統計学的有意差を認めた。その他の呼吸機能は差を認めなかった。呼気.筋群はPEF,PEmaxの数値は増加したものの統計学的有意差を認めな
かった。その他の呼吸機能についても差を認めなかった。また吹矢群と呼気筋群の呼吸機能の比較おいては統計学的有意差を認めなかった。〔結語〕吹矢トレーニングはPEF,PEmaxを増加させ,呼気筋トレーニングと同様の影響を呼吸機能に与えることが示唆された。」
と述べている。普段呼吸リハと言えば、どちらかと言えばThreshold IMTを用いて吸気筋を鍛えることが多い。
 Threshold PEPを用いた摂食・嚥下リハビリテーション報告は少ないが、喀痰や咳嗽に応用すれば、誤嚥リスク予防効果を期待できるかもしれないと考えられる。

コメント

このブログの人気の投稿

気管挿管後の反回神経麻痺

国家試験問題からの嚥下復習

大脳基底核と運動の関わり