体重減少症例とその要因
日本病態栄養学会誌に「栄養療法開始後も体重減少を認めたParkinson病の1例」(丸田恭子, 藤原彰, 園田至人, 福永秀敏, 13(3) : 233-238, 2010)が掲載されている。
要旨は以下の通りである。
「Parkinson病患者に体重減少が多いことは従来から知られている。我々は栄養療法開始後も体重が減少した1症例について検討した。症例は84歳男性。81歳時にParkinson病と診断され治療を開始された。転倒し、右肋骨骨折と右血胸を生じたため、2007年4月に本院呼吸器外科に入院した。入院時体重は59.3kg。その後神経内科に転科していたが、9月に体重が49.8kgと減少したため栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)による栄養療法を開始した。Hoehnand Yahr stage V度、嚥下障害はない。食事摂取エネルギーは充足していたが、介入1カ月後に48.9kgになったことから、摂取エネルギーを増量した。さらに翌年1月には46.2kgまで減少したが、3月以降、体重減少は停止した。血清アルブミン、総コレステロール、中性脂肪値は保たれている。本症例における体重減少は筋固縮の増強に関連したエネルギー消費の増大によるものと推察された。」
と述べられている。論文上ではPD患者の体重減少の要因として27論文を掲載しており、一方の仮設に対しての反論を述べている。多くの論文では体脂肪が減少するとの報告であり、原因としては、不随意運動に伴うエネルギー消費を挙げている。
また、PD患者では嚥下障害も発生しやすく、口腔から咽頭期にかけて嚥下障害が発生する論文もある。摂食嚥下障害に携わる人としては、体重減少というとすぐ誤嚥の影響と考えがちであるが、今回の論文で述べているようにあらゆる方向性から原因を考えることを再度認識する必要性を感じた。
要旨は以下の通りである。
「Parkinson病患者に体重減少が多いことは従来から知られている。我々は栄養療法開始後も体重が減少した1症例について検討した。症例は84歳男性。81歳時にParkinson病と診断され治療を開始された。転倒し、右肋骨骨折と右血胸を生じたため、2007年4月に本院呼吸器外科に入院した。入院時体重は59.3kg。その後神経内科に転科していたが、9月に体重が49.8kgと減少したため栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)による栄養療法を開始した。Hoehnand Yahr stage V度、嚥下障害はない。食事摂取エネルギーは充足していたが、介入1カ月後に48.9kgになったことから、摂取エネルギーを増量した。さらに翌年1月には46.2kgまで減少したが、3月以降、体重減少は停止した。血清アルブミン、総コレステロール、中性脂肪値は保たれている。本症例における体重減少は筋固縮の増強に関連したエネルギー消費の増大によるものと推察された。」
と述べられている。論文上ではPD患者の体重減少の要因として27論文を掲載しており、一方の仮設に対しての反論を述べている。多くの論文では体脂肪が減少するとの報告であり、原因としては、不随意運動に伴うエネルギー消費を挙げている。
また、PD患者では嚥下障害も発生しやすく、口腔から咽頭期にかけて嚥下障害が発生する論文もある。摂食嚥下障害に携わる人としては、体重減少というとすぐ誤嚥の影響と考えがちであるが、今回の論文で述べているようにあらゆる方向性から原因を考えることを再度認識する必要性を感じた。
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